新選組・土方歳三の子孫 直筆手紙に誇らしげ「大胆で人となりが出ている」永倉新八の遺品は京都に「里帰り」

 江戸時代末期に結成された政治集団・新選組の隊士の子孫5人が29日、京都文化博物館で開催中の展覧会「新選組展2022ー史料から辿る足跡」(11月27日まで)を鑑賞した。

 土方歳三の兄から6代目にあたり、東京・日野の「土方歳三資料館」で館長を務める土方愛さん(51)は、歳三が書いた書簡を「紙いっぱいに大胆に書いていて、字の勢いもある。彼の大胆なところと、ひとつの紙にまとめているのでバランス感覚とか、人となりが出ている」と誇らしげに語った。1864年に京都で起きた池田屋事件の約1カ月前に書かれたものだといい「その頃の、彼の気迫がのっている感じが出ている」と思いをはせた。

 永倉新八が京都で仕立て、戊辰戦争で着た陣羽織を胴着に作りかえた遺品も展示される。永倉が晩年を過ごした北海道・小樽まで所持し続けた遺品が京都で展示されることに、ひ孫の杉村和紀さん(52)は、「里帰りみたいなもの。京都で仕立て、鳥羽伏見で戦い、北海道の松前に移ったり東京に住んだりして、終の棲家は小樽だった。行ったり来たりして京都に戻ってきた。感慨深い」と語った。

 井上源三郎の子孫・井上雅雄さん(67)、斎藤一の子孫・藤田太郎さん(79)、中島登の子孫・中島大成さん(67)も集まり、新選組隊士が書いた手紙や刀など約200点の史料を鑑賞した。土方愛さんは「それぞれの先祖が使ったり書いたりした遺品がある場所で集えた。奇跡的なことだと思う」と機会を喜んだ。

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