9月25日は、宮脇咲良にとって特別な日である。
4年前(2018)のこの日、HKT48での活動休止をファンに報告したのだ。
当時宮脇は、自身のツイッターに心境を綴りながら、HKT48ファンとの再会を誓っていた。そんな彼女は現在、K-POPを代表する人気アイドルになっている。
彼女が韓国に渡った理由は、知っての通り『PRODUCE 48』に参加して勝ち取った、IZ*ONE(アイズワン)という日韓共同アイドルグループに選抜されたため。
2年6カ月の活動期間が終了したら「HKT48に戻る」と約束した宮脇は、IZ*ONE解散(2021年4月29日)後、一度は古巣へ復帰するも、約2カ月後のコンサートを最後に卒業する。
彼女の去就については様々な報道があったが、同年3月に報じられたHYBE(旧 BigHitエンターテインメント)への*移籍が決定。
*HYBE傘下レーベルのSOURCEミュージックに所属
そして、HYBE初のガールズグループであるLE SSERAFIM(ル セラフィム)の一員として再デビュー(2022年5月22日)を果たすのだった。
宮脇は、IZ*ONE時代から築き上げてきたグローバルファンダムのおかげで、事実上エースとしてチームをけん引。デビューからわずか数日で、K-POPを代表するアイドルグループへと躍り出ることとなった。
その人気ぶりは、アメリカのビルボードチャートでも確認できる。
しかし、宮脇が描いている“サクセスストーリー”は、決して順風満帆とは言えない。
彼女は常に、逆風にさらされてきた。
宮脇を苦しめるのは、韓国ネットの“中傷”。実はこの問題、IZ*ONEメンバーの選抜オーディション番組『PRODUCE 48』から続いている。
これは当時、韓国人の練習生を応援していたファンが、宮脇を攻撃し始めた事が端を発す。
最初は、すでに日本で人気アイドルとして活躍している宮脇への、けん制目的から始まった攻撃は、次第に“右翼アイドル”という、刺激的なワードまで用いた中傷へと発展。
この問題は、『PRODUCE』主催テレビ局のMnet(CJ ENM)側の傍観に他ならない。それは、IZ*ONEがデビューした後も続いた。
IZ*ONEの活動全般を取り仕切っていたCJ ENM側は、“期限付きグループ”だからと、自国を離れ韓国でアイドル活動を行う、宮脇へのサポートを軽視したのである。
彼女が中傷され続けても、誰も警告しない‥他のアイドルの事務所ように、法的対応を取る事もない‥。こうして宮脇は、オンライン上で“中傷してもいいアイドル”になってしまったのだ。
LE SSERAFIMデビュー後も、アンチファンの愚行は続き、宮脇ファンからは「(事務所が)守らないから、(アンチが)安心して中傷できてしまう」という嘆きも寄せられた。
宮脇咲良は、“世界的なアイドルになる”という夢と引き換えに、余りにも大きな代価を支払っている。
そんな中、今年の8月10日に、彼女のマネジメントを担当するSOURCEミュージックは「ネット上の誹謗中傷に対して、強硬な対応を取る」と予告し、ファンへ協力を呼びかけた。
ようやく宮脇を保護するための措置が取られるのだと、彼女を応援する多くのファンが、その告知を歓迎し協力を約束する。
しかし、光復節(8月15日/韓国の独立記念日)まで数日を残したタイミングでの告知に、一部のネットユーザーが「日本の右翼アイドルを庇う破廉恥な行動」と反発。そして、ネットユーザーの扇動を開始するのだった。
この“負の連鎖”は、宮脇が韓国で活動を続ける限り、おそらく彼女を自由にさせないだろう。
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宮脇咲良の、HKT48の活動休止報告から4年。
大きな夢を抱き、2度韓国に渡った宮脇咲良は、世界的なアイドルに成長している。それは、誰も否定できない事実だ。
しかし、韓国ネットで繰り返される中傷問題は、異国の地で奮闘する彼女に大きな虚無感を与えているに違いない。
まさに“傷だらけの栄光”なのだ。
(構成:Danmee編集部)