世界的な人気を誇るBTS(防弾少年団)、この英語表記『BTS』は何を指しているか、ご存知だろうか。
まずは、グループ名“防弾少年団”の意味から読み解こう。
2013年6月13日にデビューした防弾少年団。このグループ名には、“社会的な偏見や抑圧を受ける10代20代を守り、独自の音楽と世界観を貫く”という意味が込められている。
デビュー初期の彼らの音楽は、ヒップホップを基盤にしており、学校教育システムへの反抗など、ダークなイメージを持っていた。
当時の彼らの衣装やメイクを見ると、ヒップホップ色がかなり強い印象を受ける。
そして、いよいよ本題の「BTSは何のイニシャルか?」についてだが、そのイニシャルの意味や解釈は度々変化を遂げている。
韓国語で防弾少年団は「방탄소년단(バンタンソニョンダン/Bang Tan Sonyondan)」と発音する。その発音の英語表記の頭文字がBTSとなる。
普段はBTSと名乗る彼らだが、韓国での活動時の挨拶は今でも「バンタンソニョンダン」を使うことが多く、ファンからも“バンタン”の愛称で親しまれている。
一時期、グループ名の由来は「*BTS生みの親である、HYBEのパン議長が誕生させたグループだから、“バンタン”」という説もあったようだが、これはあくまで噂に過ぎず、事実ではないという。
*防弾(방탄/バンタン)の“バン”は、パン議長の姓であるパン(방)。バンタンの“タン”は、誕生(탄생/タンセン)のタンと同じハングル文字のため、このような説が生まれた
一方、海外ではどうかというと、英語圏では、少年団を“Boys”と呼ぶことがあるため、防弾少年団の英語表記は「Bang Tan Boys(バンタンボーイズ)」が使われることがある。
また、デビューアルバム『2 COOL 4 SKOOL』の収録曲『We Are Bulletproof Pt2』から、「Bulletproof Boyz Scouts(防弾ボーイスカウト)」とも解釈された。
そして2017年7月、防弾少年団は今後のさらなる活躍を見据え、新たなブランドアイデンティティーを公開。
ロゴマークを、これまでの“防弾チョッキ”をイメージしたデザインから一新、現在使用している扉をモチーフにした、新デザインに変更する。
さらに、グループ名のBTSには、“Beyond The Scene(現実に安住せず、夢に向かって絶えず成長する青春)”という新たな意味も加わった。
“Beyond The Scene”には、超現実、超時空という意味もあるため、この頃からBTSは、宇宙、過去、現在、未来、共存、運命といった、BTSとARMYが共存する世界観がメインとなっていく。
今この世界観は、様々なコンセプトやサービスに盛り込まれている。
新たなBTSに進化した彼らは、同年(2017年)11月、米ロサンゼルスで開催された『アメリカン・ミュージック・アワード(AMAs)』に韓国グループとして初めて招待され、『DNA』のステージを披露。
そして彼らは、ここから本格的な海外進出に乗り出し、BTSの名を世界に知らしめる活躍を見せることになるのだ。
今や、世界的な大スターとなったBTSは、デビュー9周年を迎えた2022年6月、本格的なソロ活動開始という新たな展開を発表した。
第2章が始まった“BTS”に、次はどのような意味が追加されるのか楽しみだ。
(構成:酒井知亜)