宇宙刑事シリーズ「宇宙刑事シャリバン」(1983年)のリリィ役で知られる女優・降矢由美子(64)が18日、都内で開催されたイベント「アメイジング商店街 映画部」のトークショーに参加。女優デビュー作の映画「月光仮面 THE MOON MASK RIDER」(1981年)の思い出を語るとともに、「シャリバン」出演俳優が集結するステージ「SHOWA 特撮80’s」(9月23・24日、東京・高円寺スタジオK)への意気込みを口にした。
若々しい笑顔を振りまいた降矢は、オーディションに合格し、撮影前に演技トレーニングを重ねて臨んだ当時を回想。テレビドラマ「西部警察」「太陽にほえろ!」、映画「高校大パニック」などのアクション作品で名をはせた澤田幸弘監督の印象を「初めての撮影で周りがすごい方ばかりだったので、誰の顔も怖く感じました。監督はいつも苦虫をかみつぶしたようなお顔だったのを覚えています。児童劇団を運営されていて優しい方だったらしいのですが」と語った。間近でカースタントシーンが撮影された際は大声で驚き、スタッフに怒られたという。
志穂美悦子、藤岡琢也、井上純一、地井武男、原田大二郎、ジョニー大倉、ガッツ石松らと共演。「緊張してばかりでしたが、素晴らしい役者と一緒にできたのは、自分の原点ですね」と懐かしんだ。当時大人気だった志保美とは、撮影中に言葉を交わした記憶はない。それでも「シャリバン」放送時は、共演した栗原敏らジャパンアクションクラブ関係者との縁で、同クラブ出身の志保美とパーティー等で同席する機会が増えたという。
「SHOWA 特撮80’s」では栗原に加えて、主役だった渡洋史、長門美雪、名代杏子、鈴木正幸と再結集を果たし、アクション朗読劇「銀河公安メタルバン」を上演する。スーツアクターだった村上潤は久しぶりにアクションを披露。「メタルバン」では、「シャリバン」の登場キャラクターをほうふつさせる役柄の後日談が描かれる。降矢は「アクションもあって、一般的な朗読劇のイメージとは全然違うと思います。『メタルバン』はパロディだけど、みんな本物です」とアピールした。当時を振り返るトークショーも開催予定。「撮影は1年間でしたが、その後でも会うのは久しぶりでも一瞬で当時の関係に戻れる仲間です。『シャリバン』放送中に渡さんが引っ越したアパートに、私たち20人くらいで遊びに行って騒ぎすぎたので、渡さんがアパートを追い出されたエピソードは、今も会うたびに話に出ますよ」と笑った。
宇宙刑事シリーズ第1弾「宇宙刑事ギャバン」放送から今年で40周年。「ギャバン」の主人公を演じた大葉健二は体調を崩し療養中で、表舞台からは遠ざかっている。今ステージを企画した降矢は「宇宙刑事シリーズを盛り上げたくて、私たちが集まれるうちに何かできないか、と考えました」と動機を語った。公演には降矢、大葉の子息が裏方スタッフで参加するという。