王林「ミリオンシンガー」の賞金100万円を地元・青森の水害復興支援へ 芸名から背負ったリンゴ農家への思いも吐露

福島 大輔 福島 大輔
王林(インスタグラム@ourin_ringooooより)
王林(インスタグラム@ourin_ringooooより)

 青森県のご当地ダンス&ボーカルユニット・りんご娘を3月に卒業し、4月から活動拠点を東京に移したタレントの王林が、このほどよろず~ニュースの取材に対応。9日に放送された日本テレビ系「熱唱!ミリオンシンガー」で獲得した賞金100万円を、今月上旬に故郷・青森で大水害の被災者支援に充てる考えを明かした。

 100万円の使い道について、「青森のために」と宣言していた王林。「元々、青森の昔からの姿を残したいと思って、古民家か蔵を買いたいなという思いがあったんです。そこで私たち世代の人たちを応援したいと。自分でご飯屋さんをやってみたいけど場所がないっていう方に使ってもらうとか、ファンの方を集めてイベントするとか考えてたんですけど、ちょうど放送されたその日に水害が発生して、古民家買うどうこうの前に、そういう方たちの手助けのために使うべきなんじゃないかなと思って」と思いを語った。

 当初は全額募金も考えたが、「私自身が直接的に何か支援できることがあれば、それをやりたい」と、お金だけではなく体を張って復興に協力したいという思いも口に。「自分が住んでるところとか、友だちとかは直接の被害はなかったんですけど、友だちの友だちの農家さんは木の枝にまで水が行ったから、リンゴも全部落ちちゃったり、あとちょっとで熟するはずだったリンゴを2週間ぐらい早く取っちゃったりとか、その時の農家さんの気持ちを考えたら、すごくかわいそうで…。」と沈痛な表情で語った。

 青森のリンゴ被害については、特別な思いがある。「りんご娘」に加入して「王林」を名乗り始めた2013年は、台風18号が青森を直撃し、3億円を超える被害が出た。「私が王林の名前になった時も、台風の被害で王林を早めに収穫した年で、ちゃんとおいしくなる前の王林が売られて、一部で『王林がおいしくない』ってイメージがついてしまってたんです。だから、私が王林の名を広めて、美味しいリンゴなんだって知ってもらいたい気持ちでやってきたので、今回もそれが心配ですね」と心を痛めた。

 番組での歌唱については「自信はなかったです。私もともと歌がうまいタイプじゃなくて、練習をして何とかできてきた方なんで」と回顧。「同じ職業の人たちからは『りんご娘』ってグループが歌とかパフォーマンスをちゃんとしてるグループだって知ってくれてる人が多いですけど、バラエティーから入った人は、私が歌ったり踊ったりしてるっていうイメージさえない人たちが多いと思うので」と笑った。

 100万円獲得の瞬間は「すごいうれしかったです。卒業してからなかなか歌ったりパフォーマンスをする機会なかったから、久しぶりの感覚で、歌うの好きだなって思った」とニッコリ。だが一方で「ずっと音程バーを見ながら歌ってて、そういう歌じゃなく歌いたいなというのもすごい思いました」とも訴えた。

 その真意を、王林は「音程を合わせる歌い方と、人に届けようとする歌い方は違うと思うんです」とキッパリ。「感情が入ってしまうと、元の音程とは少し違う歌い方になることもある。だから、感情を出さないように出さないように…っていうのが、バーに合わせる時の自分の歌い方」と明かし、「ちゃんと人と人で、音楽で会話するような場所が私は好きだから、またそういうのをやりたいなと思っています」と話した。

 実際、収録現場でもその〝葛藤〟が押し寄せたという。「最後のステージに行ったときに、(バーに)合わせに行って100万円取ったところで自分はうれしいのか?みたいな感情が出てきちゃったんです。100万円を取りたくて出たわけではないし、合わせる方に集中していくのか、最後まで来たんだから後は自分が好きなように歌うのかって、2つの思いが出てきちゃって」と正直な心境を吐露。「最後は自分の中では、音程バーに全振りするよりは、ちょっと気持ちを込めて歌うことも意識した上で取ることができたから、良かったなと思います」と晴れやかに笑った。

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