ホラージャンルの金字塔とも言われる、ゾンビ作品。漫画の世界でも名作やヒット作が数多くあるなかで、異色の作品『町田ゾンビーズ』が、今インターネットを中心に注目を集めている。リアルな描写や生々しいシーンが次々と登場するこの作品は、Twitterで人気が爆発する以前に、作者自らAmazon Kindleで売り出す手法で、次々と熱狂的なファンを生み出し、今や5巻目に突入するほど好調な人気を獲得している。
作者の名は、イマダリュウジさん(@MachidaDead)。2年半の漫画家アシスタントを経験後、ヤングサンデー、ヤングマガジン、ヤングチャンピオンで次々と漫画賞を総ナメにした本格派だ。今回は、この作品の魅力に迫ると共に、『町田ゾンビーズ』の第一話を掲載する。
黒い絵が好き。だから、ホラーになる
イマダさんが、ゾンビ漫画を描き始めたきっかけは、「小さい頃に観た、ホラー映画の影響でしょうか」と話す。「『ゾンビ』や『13日の金曜日』とか、昔はよくテレビでやっていました。その影響だと思います。その中で、好きなホラーのジャンルといえば、やっぱりゾンビです。 ただ最近は、人怖ですかね。結局、一番怖いのは人間だと思います。戦争を起こす人間は悪魔ですね」
作品はどのシーンも精巧に描き込まれ、グロテスクなシーンはよりグロテスクに。痛々しいシーンは、より痛々しく感じるのが特徴だ。一方、こころにグサグサと突き刺さるセリフについては、苦手だという。「リアルに描き込んだ絵は好きなのもありますが……それより、黒い絵が好きなんです。だからホラーに向いているんでしょうかね。不気味なのはリアルを表現しているからでしょうか。でも、セリフは苦労します。今の漫画を始めた時、セリフを少なくしました。こんなにしゃべらないだろう、普通って思っちゃうんです。絵が好きで漫画に入った人間なので台詞回しが未だに苦手ですね」と話す」
Twitterでの連載から早くも4年が経った今、イマダさんは次にどのような作品を構想しているのだろうか。「人怖でしょうか。モンスター系とか。 今描いている漫画をTwitterで死ぬまで描き続けたいと思っているんです。とりあえず、85歳くらいまで100巻目指して(笑) 」と、イマダさん。ゾンビ作品の魅力である、良くも悪くも人間らしさが存分に描かれたこの作品。80歳をこえたイマダさんが、どのような価値観とストーリーでゾンビを展開させるのか、期待せずにはいられない!
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