ついつい気になる、お寺の掲示板に貼られた「お言葉」。 仏教にまつわる心に沁みる有難いものから、 噴き出してしまうようなもの、ダジャレから俳優やロック歌手など意外な有名人の名言まで。ふと目に入った言葉に励まされた方も多いのではないだろうか。
そんな"掲示板のお言葉"コンテストである「輝け!お寺の掲示板大賞」の人気が年々加熱しているようだ。主催元である仏教伝道協会の江田さんにお話を聞いた。
――お寺に有難いお言葉を掲示する習慣というのは、 いつ頃始まったものなんですか?
江田:はっきりとした始まりは分かっていませんが、 少なくとも大正時代には行われていました。ですから、 少なくとも100年以上の歴史があります。
――そんなに昔から!そういえば、 あのお言葉は誰がどのように選んでいるんですか? ハリウッド女優や、 ダジャレなど仏教だけに留まらない自由な標語もネット上では見かけますが…。
江田:ほとんどのお寺では、 基本的にご住職が考えて書いています。掲示板を使った布教は「掲示伝道」と呼ばれますが、どこの宗派にも掲示伝道には明確なルールがありませんので、バラエティに富んだ作品が登場します。お寺の掲示板は住職のセンスが現れる場と言えるでしょう。
――いつも楽しみに読んでいましたが、 布教のための作品だったんですね。
「輝け!お寺の掲示板大賞」を始められたきっかけは何だったんでしょうか。
江田:昔から掲示板の一言を読むのが好きだったからというのが1つの理由です。あと1つは、お寺離れ問題。 現在多くのお寺でお参りに来る人が減少していますが、おそらく寺の前を通る人の数は今も昔も変わらないはずです。お寺の掲示板はお寺の中と外の境目に置かれていますので、掲示板を使って、外に向かって布教することが重要ではないかと考えました。
2018年に始まりまして、今年で5回目になります。第1回は700作品集まり、昨年の第4回は2887作品も集まりました。メディアでも沢山取り上げられ、年々投稿作品は増えています。
――すごい!応募するぞ、となると自然と出かけた先々で出会うお寺の掲示板が気になるでし ょうし、お寺の掲示板大賞の功績は大きいのではないでしょうか。今までの作品の中で、 江田さんが最も感動したのはどんな言葉だったんですか?
江田:第一回の大賞「おまえも死ぬぞ 釈尊」でしょうか。"諸行無常"を言い換えたものですが、 読んだ人をドキッとさせる一番インパクトのある作品でした。
――人間は必ず死ぬと分かっているつもりですが、自分に死ぬ予定がある実感は確かにあまり無いですね… 私もドキッとしました。諸行無常と書かれているより、ずっと心に刺さる!気が引き引き締まりますね。最後に、応募してみようと思っている皆様へのメッセージをお願いします。
江田:お寺の掲示板大賞はどんな人でも大賞をとるチャンスがあります。10月10日まで受け付けておりますので、心より投稿をお待ちしております!
またお寺のお言葉に注目するだけでなく、お寺の中の仏様に手を合わせることを忘れないようにしていただければ嬉しいです。
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「輝け!お寺の掲示板大賞」への応募は、 胸を打たれたお言葉を撮影し「#お寺の掲示板大賞2022」をつけてTwitterかInstagramに投稿するだけ。仏教伝道協会賞4作品(賞品:クオカード1万5千円分)を始め「フリースタイルな僧侶たち賞」など合計14作品が選ばれる予定。 詳細は「輝け!お寺の掲示板大賞」公式ホームページをご覧になっていただきたい。
「輝け!お寺の掲示板大賞」概要
公式ホームページ:https://bdk.or.jp/ kagayake2022/
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