山口県阿武町が誤給付した新型コロナウイルス対策の臨時特別給付金４６３０万円を別の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪で起訴されるなどした同町福田下の無職田口翔被告（２４）が１日、勾留先の山口南署から保釈された。保釈保証金２５０万円を山口地裁に納付した。ＹｏｕＴｕｂｅｒのヒカルから資金提供を受けており、今後は関連会社に勤務する。保釈後すぐに、ヒカルのチャンネルに出演し“配信デビュー”した。
保釈された田口被告は上下黒のスーツ姿。屋外に出た瞬間に肩まであるロン毛が顔をバサッと覆い、表情がうかがえなかいまま報道陣に一礼し、迎えの車に乗り込んだ。車に乗っていたのはヒカル。田口被告に資金提供を申し出た友好的なスポンサー「ホワイトナイト（白馬の騎士）」だったという。
町などによると、被告は誤給付があった４月８日以降に計約４６３０万円を出金。町は田口被告が税金を滞納していたことから国税徴収法に基づく手続きを進め、出金先の決裁代行した３社から４２９０万を回収。残る３４０万円は、田口被告がホワイトナイトから借り入れる形で弁済。それがヒカルだった。
田口被告は場所を替えるとすぐに、ヒカルからの独占インタビューを受けた。「知名度は全国区。広告塔になる」と太鼓判を押された。ヒカルから資金提供の申し出を受けたときは「これでやり直せる。神」と感謝したことを明かした。
田口被告は今後、ヒカルが株を持つブロッコリー栽培の会社に勤務する予定。ロン毛を断髪し、サイドをすっきりと刈り上げにしたポニーテール姿に変わり、晴れやかな顔を見せた。
