「セブンティーン」モデルから「ビーバップの順子」を襲名した杉本愛里、アドリブ演技も注目

北村 泰介 北村 泰介
映画「ビーバップのおっさん」で元祖シリーズを代表する女性の役名「順子」を継承した杉本愛里=都内
映画「ビーバップのおっさん」で元祖シリーズを代表する女性の役名「順子」を継承した杉本愛里=都内

 1985年から88年にかけて製作され、当時の中高生らに支持された映画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズにオマージュをささげた新作映画「ビーバップのおっさん」(旭正嗣監督)が24日から全国順次公開される。ヤンチャな男子高校生が大暴れするイメージが強い元祖シリーズにあって、全6作に登場した「順子」という女性キャラクターの役名を継承した杉本愛里(21)が、よろずニュースの取材に対し、同作への思いなどを語った。

 杉本は「ミスセブンティーン2016」で応募者6103人の中からグランプリを獲得し、雑誌「セブンティーン」(集英社)の専属モデルに。卒業後も女優として活動の幅を広げている。

 今作では、ダブル主演となる「ヒロシ」役の清水宏次朗と「テル」役の白井光浩のコンビが身を寄せるテキ屋「湘南一家」会長の娘を演じる。若い女性をナンパするヒロシに口説かれても一蹴する芯の強さと、園田あいか演じるテルの娘「美穂」を友人として見守る優しさがある。

 元祖「ビー・バップ」シリーズの「順子」は、全6作に出演した宮崎ますみ(現・萬純)が演じ、安定したスケバンキャラで、作品全体を支えた。役名は、現在、政治家になっている元女優・歌手の名をイメージした「三原山順子」。その名を、2000年生まれの杉本が受け継いだ。

 「こういう作品があったとは知らなかったです。ネットで調べたり、親に聞いたりして、こんなすごい映画だったんだと思って。白井さんに『見てください』と言われて、DVDを借りて『ビー・バップ・ハイスクール』の1作目(85年公開)を見ました。自分が今回いただいた『順子』と同じ役名の宮崎ますみさんをずっと見て、ヤンキー口調とかを勉強しました。美穂とは、キャラクターの差が付くように、サバサバした感じとか、気の強い感じを常に意識するようにしました」

 園田とのガールズトーク的な会話も元祖にはなかった要素だ。例えば、2人で夜道を歩きながら「とんこつ効いてたよね!」「やばかった」といった本筋とは無関係の会話がなぜか頭に残る。杉本は「監督さんが『女子大生の会話みたいにしたいから、言葉づかいもふだんと同じでいいよ』と言ってくださって。『とんこつ』は台本にはなくて、アドリブでした。2人が仲のいい感じを意識して、ラーメンを食べてきた体(てい)でやりました」と振り返る。

 大阪府出身。19年に AbemaTV「オオカミちゃんには騙されない」に出演し、チャーミングな関西弁と飾らない人柄で若い層から支持された。

 「中学まで大阪にいて、高校から東京なんですけど、自分は標準語をしゃべっているつもりでも、どこかのイントネーションで、関西弁が出てるよと言われます。『オオカミちゃん-』はリアリティーショーなので、何も役作りせずに自然体の私でした。ふだん、がっつり関西弁ですし、周りが標準語でも、それに合わせなくてもいいかなと」

 最近の仕事では、ロックバンド「「MAGIC OF LiFE」の曲「春を描く」のMVで多彩な表情を見せた。ユーチューブ「杉本愛里チャンネル」では主に美容やファッション系の情報を発信。「高校時代に『セブンティーン』のモデルをやっていたので、卒業してからも配信したいと思ってユーチューブを始めました」。女優として「将来はアクションや殺陣(たて)ができる役をやりたい。恋愛系や学園ドラマにも出たい。やりたい役がたくさんあります。ネットフリックスで配信された韓国のテレビドラマ『マイネーム 偽りと復讐』が大好きです」という。

 8月11日には故郷の大阪で「ビーバップのおっさん」のイベントが開催される。杉本は「今回は目の前に転がってきたヤンキーをビンタしたりとか、私が今までやってこなかった役だったので、ふだんとは正反対の役を同世代の人に見てもらえると思います。ラストシーンは、私も後ろで見ていて、もらい泣きしそうになったくらい感動したので、そこも見て欲しいと思います」と作品の見どころを語った。

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