「亀の子束子」モダンにパケ進化も「おしゃれ意識してない」品質重視は不変 サウナ界にも進出

 7月2日は「たわしの日」。茶色く丸いフォルムでおなじみの「亀の子束子(たわし)」は今月、発売115周年を迎えた。近年は姉妹品のパッケージにモダンなデザインを取り入れたり、流行中のサウナ施設にも販路を拡大したりしているが、〝おしゃれ〟なブランドを目指しているわけではないという。ブランドを手がける「亀の子束子西尾商店」の担当者が「亀の子」の進化を語った。

 「亀の子束子」といえば、漢字のロゴと亀の絵が入ったオレンジ色のパッケージが有名だが、同社が近年発売した「亀の子スポンジ」や柄(え)付きたわし「亀の子ジャンプ」、台所用洗剤「亀の子ウォッシュ」はアルファベット「Kamenoko Sponge」を記したシンプルでモダンなデザインをまとっている。一見、〝おしゃれ化〟しているようにも見えるが、同社のマーケティング部部長・鈴木昭宏さんは「おしゃれを意識してない」と説明する。

 「『おしゃれになりましたね』とすごく言われるんですけど、僕は違和感がある。『元からそうなんです』と。見せ方を変えただけです。おしゃれになろうとしているわけではない」。機能や品質を重視し「デザイン重視でものを作ったことがない会社」が、若い世代へアプローチするため「手に取りやすく」進化した結果だという。 

 同社では2015年の「亀の子スポンジ」発売以前も、約50年前からスポンジ商品を販売していた。愛用者から感謝の手紙が届くほど、一部の顧客には重宝されていたが「ぜんっぜん売れてない」状態だったという。本体の色やパッケージをリニューアルし「亀の子」の名を冠すると瞬く間に大ヒット。大手セレクトショップ「BEAMS」とのコラボも生まれる人気商品になった。

 昨年は、サウナ好きの間で「聖地」として知られる埼玉県の入浴施設「草加健康センター」で、体を洗う「健康たわし」シリーズの販売を開始。全国の銭湯やサウナにも販売店が増えている。鈴木さんは「サウナの前にたわしで体を洗うと、汗の出方が全然違う。ちゃんといいことあるんです」と、たわしで体を洗う「たわしング」を推奨する。

 鈴木さんのサウナ好きが高じて、大きさやかぶり心地にこだわった〝亀の子束子オリジナル〟のサウナハットも制作した。たわしから飛躍したサウナグッズへの参入に、「うちのブランドは『品質』と『信頼』で勝負している。サウナハットも品質が良いものですし、うちが作るものだったら(良い)と思っていただけるのが一番強いと思います」と語っていた。

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