米ラッパーのニプシー・ハッスルの死因の詳細が明らかになった。ロサンゼルスの裁判所で始まった審問によると、ニプシーに向けられた弾丸の嵐はその脊椎を損壊、肺に3つの穴を開け、肝臓も貫通していたという。
2019年3月に10発以上の弾丸を受け死亡したニプシー、今回2丁の銃を使い彼を殺害したとされる、ラッパー志望のエリック・ホルダーの公判が開かれ、地方検事代理のジョン・マッキニー氏が、9人の女性と3人の男性から成る陪審員らに事件の詳細を説明した。
16日の公判で「致命的な攻撃、非常に個人的な攻撃でした」とマッキニー氏は話し、計画的で意図的な殺人で、ニプシーが足の爪先から頭頂部まで撃たれていたと明かした。
同事件はニプシーが、ギャングメンバーのホルダーに対して「密告者」と咎めたことが原因だったそうで、ホルダーは引き金を引く前に、「お前は終わりだ」とニプシーに告げ、1発目が命中した後、ニプシーは「やりやがったな」と叫んだとされている。
ホルダーはロサンゼルス南部の治安の悪い場所で育ち、そこでニプシーと共に、通称ネイバーフッド・クリップスことストリートギャングの「ローリン60s」に加わることとなる。現在ホルダーは殺人1件、殺人未遂2件、銃器による暴行2件、銃器不法所持1件の重罪で起訴されているが、本人は無罪を主張している。ちなみに、その中の殺人未遂と銃器による暴行は、ホルダーがニプシーを襲撃した際に、ニプシーの友人ケリー・ラサムとシャーミ・ヴィルヌエヴァへも発砲したことによるものだ。
今回ロサンゼルスの刑事裁判所に出廷したホルダー、多数のタトゥーを入れた身体をダークスーツに包み、白いオープンシャツと白いスニーカーという出で立ちで弁護団と共に座っていた。
2005年にミックステープがジェイ・Zの目に留まり成功の階段を駆け上ったニプシー、死後にグラミー賞2賞を受賞、リアーナやドレイクをはじめとした数多くのアーティストらがその死を惜しんでいた。