秘密結社が人類を”トマト化”するSF小説を作り、トマトの産地・熊本県八代市の知名度向上をめざすクラウドファンディングの募集が27日に開始した。企画した株式会社いっすんぼうしの日隈志郎さんは「地方発の野菜小説として面白い」と完成を喜んでいる。
小説のタイトルは「赤き大罪と白い嘘 ー君と始める全人類トマト化計画ー」で、約70ページの中編ライトノベル。主人公の大学生・カメヤマチヒロが、仮想世界で「全人類トマト化計画」をもくろむ少女と悪の秘密結社に巻き込まれていく。
作中には「読み進めるうちに自然とトマトが気になってしまうという、秘密結社の巧妙な罠」も仕込まれている。キャラクターが使う「光線銃」の中身がトマトジュースになっているなど、物語の細部にまでトマトが登場し、”刷り込み効果”を狙う。
日隈さんは「トマトが有名なのに、売り方が他の地域と同じだった。特徴がない」と、地元の特産野菜の知名度向上を目指し、企画を立ち上げた。SFやアニメ好きの血が騒ぎ、「トマトの秘密結社」の構想を膨らませ、キャラクターの設定や特殊能力などのアイデアを出した。アニメ化や漫画化も見据え「ライトノベルは物語の原典になりうる」と、まずは小説化に挑戦。執筆は約2・2万人のツイッターフォロワーを抱えるVTuber「モノカキ・アエル」に、イラストはクラウドファンディングの成功経験を持つ漫画家・青徒愬良氏に依頼した。
製本した小説は、規格外のトマトを活用した調味料「RED WOLF」とセットで提供される。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」での支援募集は7月13日まで。