下着がテーマの異色ライトノベル 前作「変好き」から触発「ランジェリーガールをお気に召すまま」

松田 和城 松田 和城

 先月25日に発売されたライトノベル「ランジェリーガールをお気に召すまま」(KADOKAWA)は、高校生にしてプロのランジェリーデザイナーである主人公・浦島恵太が、ヒロインの抱えるさまざまな下着事情に対し、真摯(しんし)に向き合って解決していく異色のお仕事系ラブコメディー。原作者・花間燈氏はアニメ化された前作「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?(変好き)」に続き、個性的なラブコメを生み出した。

 高校2年生の浦島が、同級生の水野澪、金髪のモデル美少女の先輩・北条絢花、アイドル的人気を誇る後輩・長谷川雪菜を下着モデルとして巻き込み、物語は展開。ヒロインたちの「下着が地味で恥ずかしい」「大きすぎる胸がコンプレックス」といった悩みを解決する下着をデザイン、提供し距離が縮まっていく。シリーズ累計100万部を突破し”変態湧いてくる系ラブコメ”として人気を博した「変好き」を超える衝撃を目指したという。

 前作において、女性用下着はキーアイテムとして登場し、調べる機会があった。男性視点では気づきにくい女性ならではの悩みがあることを知り、今作のアイデアにつながった。原作者の花間燈氏は「漫画やライトノベルに当然のように登場するランジェリーですが、考えてみると意外と詳しいことは知らなかったんですよね。ブラジャーのカップサイズひとつ取っても実はけっこう複雑だし、実際にランジェリーを使う女性にもさまざまな下着に関する悩みがあることがわかって、ランジェリーデザイナーの主人公がそういった悩みを解決していくラノベがあったら面白いかなと思ったんです」と説明した。

 事前に下着の知識や悩みに関する書籍を読み、ネットへの書き込み等をチェックするなどした。掲示板に寄せられていた相談は利用者の生の声が聞けるため、特に参考になったという。また、最新のランジェリーデザインに触れるために通販で本物の下着を取り寄せた。「実物をじかにじっくり見ることで、これまでは想像で書いていたランジェリーの描写に説得力が生まれた気がします」と手応えを得た。

 作品では「仕事パート」とラブコメ要素を含む「日常パート」のバランスを意識した。「下着の知識を披露するシーンでも、できるだけ興味を持ってもらえるようにあえて愉快な比喩を入れてみたり、下着に疎いヒロインが驚いたり恥ずかしがったりすることで感情移入できるよう工夫しました」。実際に作中では、主人公がバストの大きさとカップのサイズが必ずしも比例しないことを「同じ高さのお城(トップバスト)でも石垣の高さ(アンダーバスト)によって見え方が異なる」などと独特の表現で説明している場面がある。「そうして生まれたのがちょっぴり変態で暴走気味な主人公と、そんな彼に冷静なツッコミを入れるヒロインたちの構図です。彼らの掛け合いは、書いていてとても楽しかったです」と振り返った。

 前作に続き、イラストはsune氏が担当。「変好き」コンビによる新ラブコメが誕生した。花間氏は「最大の見どころはやはりイラストレーターのsune先生が描くかわいいヒロインたちと、美麗な下着の数々ですね」と信頼を寄せている。「個性豊かな登場人物たちはもちろん、キャミソールやフロントホックブラなど、さまざまなランジェリーが登場するのでぜひ見ていただきたいです。物語を通して『ランジェリー』という新しい世界の扉を開いていただけたら幸いです」と期待を寄せた。

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