人気漫画「左ききのエレン」(作者:かっぴー)のキャラクター、山岸エレンが作中で描いたストリートアート2点が、20日からオークション販売される。架空のキャラクターの作品を実際の市場に出すユニークな取り組み。企画担当者は「まず、作者の思いとして、架空のキャラである山岸エレンを本当に市場に乗せて価値を証明したいという思いがありました。架空のキャラクターが仮想と現実を交差するこの企画は、NFTが形のないデジタルデータに価値を与える技術であることを考えると、非常に未来的な問いかけで、意味のある挑戦であると考えています」と語った。
作者のかっぴー氏のマネジメントを行うナンバーナイン、NFT企画・発行支援の double jump.tokyo およびgumiの3社共同プロジェクト。オークションサイト・tofuNFTで20日午後9時から23日午後9時まで実施される。“山岸エレンの作品2点”は昨今注目を集めている「NFT」として販売され、購入者は画像データのURL等の情報が掲載されたブロックチェーン上のトークンを利用、処分する権利が認められる。著作権や商標権その他の知的財産権を取得することはない。他人への提供や商用利用も認めない。
出品されるのは「黒い化物」「チェルシーの夜」の2点。「黒い化物」は作品最初期にエレンが横浜・馬車道の美術館壁面に描いたグラフィティアート。「チェルシーの夜」は、エレンが現代アーティストのトニー・ジェイコブスと共作したもの。この2作品はともに、かっぴー氏が原作連載時にアーティストの曄田依子氏に依頼して、提供をうけたもの。担当者は「今回のNFT企画には関わりはありませんが、かっぴーさんから企画はお伝えしており、収益を(曄田氏に)お渡しさせていただくことになっております」とした。
担当者は「WEB3で世界から出遅れている状態の日本においての、日本発のWEB3会社たちがタッグを組んで世界に挑む挑戦でもあります。もしご興味あれば触れていただければありがたいです」と呼び掛けた。今回のオークションでは、落札者と入札者に特典を用意。2人のNFTアートの落札者には「cakes」や単行本に掲載されるスピンオフ漫画の後編に登場する権利を、入札者には「左ききのエレン」入札記念NFTを、それぞれプレゼントする。各種キャンペーンも展開中で、詳細は特設サイトまで。
「左ききのエレン」は大手広告代理店を舞台にしたクリエイター群像劇。2016年3月からcakesで連載をスタートし、2017年10月からはnifuni作画によるリメイク版が「少年ジャンプ+」にて連載。その他実写ドラマ化や舞台化など、多岐にわたるメディアで展開され、人気を集めている。