漫画家の藤子不二雄A(本名・安孫子素雄)さんが7日に88歳で死去したことを受け、トキワ荘マンガミュージアムを運営する東京・豊島区の高野之夫区長は「藤子不二雄A先生の訃報に、大変驚いております。いつまでもお元気で長生きしてくださるものと思っておりましたので、残念でなりません。トキワ荘マンガミュージアムにご来館いただいた日の感動は、今も私たちにとって大切な思い出です。心よりご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。
同区は手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら伝説の漫画家が若き日に暮らしたトキワ荘を再現したトキワ荘マンガミュージアムを20年7月に開館。同年10月には藤子不二雄Aさんが来場し、寺田ヒロオらトキワ荘で一緒に暮らした漫画家の思い出を語っている。
同ミュージアムの関係者は「気さくで優しい方でした。2階に上る際、階段のきしむ音を『よくできているね』と褒めてくださり、とてもうれしかったです」と回想した。その際のスピーチでは、「トキワ荘の漫画家はライバルではなく仲間だった。いいことがあると皆が自分のことのように喜んだ」という趣旨の話が印象に残っているという。