新年度、同期が先に昇進、悔しくても「懐の深さ」をアピールする言葉とは?「大人研究家」が指南

石原 壮一郎 石原 壮一郎
写真はイメージです(maccc/stock.adobe.com)
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 年度末になると、新年度の人事で心揺さぶられる人もいる。例えば、自分より先に昇進する同期に対して複雑な思いを抱くあまり、会話のちょっとした言い回しから関係がこじれそうになった時、あなたならどうする?「大人研究」のパイオニアにして第一人者、『大人養成講座』『大人力検定』など多くの著書を世に送り出してきたコラムニストの石原壮一郎氏が「大人の切り返し講座~ピンチを救う逆転フレーズ~」と題し、その打開策をお伝えする。

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【今回のピンチ】

「人事異動で仲のいい同期が自分より先に昇進。悔しさを抑えつつ『おめでとう』と祝福したら、『申し訳ない』と謝られた……」

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 この時期、会社員の心がザワザワするのは、花粉のせいばかりではありません。人事をめぐる悲喜こもごもが、あっちでもこっちでも繰り広げられています。

 仲のいい同期が、自分より先に昇進しました。釈然としませんが、当人に「おい、どういうことだ!」と詰め寄っても仕方ありません。まずは「おめでとう」と祝福して、懐の深さを見せつけたいところです。

 ところが、意表を突いた反応が返ってきました。「申し訳ない」と謝られると、同情されているようなバカにされているような気がして、むしろ怒りがこみ上げてきます。

 さすがに胸倉をつかみはしないにせよ、「おっと、偉くなったもんだな」ぐらいのイヤミをかましたくなるのが人情。しかし、かましたところで自分の株を下げるだけです。

 悪魔の誘惑に負けそうになるピンチを切り抜けるために、まずは「ハハハ、なに謝ってるんだよ!」と明るく笑い飛ばしましょう。きっと相手は「しまった、ヘンなこと言っちゃった」とギクッとするはず。ひるんだところで、すかさず二の矢を放ちます。

 「この状況で、つい謝っちゃうのがお前らしいよね。やっぱりたいしたもんだ。会社の見る目は確かだってことだよ」

 そんなふうに持ち上げていい気持ちにさせつつ、心の中で自分自身に「エライ、よく言えたぞ!」と称賛の言葉を贈りましょう。ここまで言えば、相手の口からも「まいったよ」と敗北宣言が発せられる可能性は大です。

 小さな満足感をいくつか集めれば、昇進で先を越された悔しさを少しは埋め合わせられるはず。しかも、懐が深そうな振る舞いをしたことで、相手より優位に立ったような錯覚すら覚えることもできます。

 その上で、最後は「ま、真打はあとからって決まってるからね」と茶目っ気のある強がりで締めくくれば完璧。大人なふるまいこそが、大人の悔しさをごまかしてくれます。

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