昭和のレアな国産旧車が数千万円の高値で取引されているという。旧車人気が高まっている中、CS放送「映画・チャンネルNECO」の番組「旧車探して、地元めし」が26日にスタートする。升毅が演じる主人公の「幻のカーディーラー」が車の買い付け先で魅力的な旧車や女性と出会い、地元の食べ物も紹介する30分枠のドラマだ。第1、2話の初回放送を前に「国産旧車の魅力」というテーマで、升と第2話にゲスト出演する壇蜜に話を聞いた。
両者は第2話の山梨・甲府編で共演。壇蜜は「亡くなった夫が所有していた旧車を手放したい」という女性を演じ、升が運転する「1985年式ホンダシティ カブリオレ1200」の助手席に座った。
85年といえば、阪神が日本一となり、壇蜜が5歳になる年だ。「初めて乗りました。全然違いますね。背筋ピーンとなりました。(カブリオレの)『脱いで、パラダイス』っていうキャッチコピーが、令和にはないぞって。今のご時世で『脱いで、パラダイス』は不可能に近いと思うので、(当時は)こういうことに憧れて作られる車があったんだなと。そして、今さらながら『脱いで~』を甲府で実感するとは思わなかった。目の前は雪の積もった山々なんですけど、パラダイス感が十分ありました。これがパラダイスなんですよ!これだけ楽しい気持ちにさせてくれるって、旧車ってすごいなと思いました。ちゃんとコンセプトや個性があって、見たら分かる特徴があって、車に詳しくない私でも『個性に乗る』ということが一つのステータスだったんだなと思いましたね」。壇蜜はそう分析した。
一方、升は18歳だった74年からオンタイムで昭和国産車のハンドルを握ってきた。「カブリオレはある程度、僕が年齢を重ねた後に出会った車。その時には手に入れることができなかった憧れの車でした。そういう意味で、乗れてうれしくて仕方がなかった。しかも横に壇蜜さんがいるという…」と感無量の表情。そこから話は意外な方向に発展した。
壇蜜は「(車内で)ちらっと見えたのが、カセットデッキ!昭和55年生まれの私はゾクゾクしました。カセットテープも1本入っていて、それがポール・モーリア!チョイス最高!途中で升さんがテープかけてくれたんですよ」と興奮。升は「カメラが回ってないところで聴いてみようと思ったら…ポール・モーリアでしたね」と振り返り、壇蜜は「抱かれてもよかった」と周囲を笑わせた。「恋はみずいろ」「オリーブの首飾り」といったインスト曲が日常的にBGMとして流れていた時代を想起させた。車は「音楽を聴く個室」でもある。
ドラマでは数々の名車が紹介される。第1回の浜松編では「1973年式 日産スカイライン2000GT-R」、通称「ケンメリ」が登場。当時、限定200台で売り出されたうちの1台で、価格は8000万円という。升は「印象的な車ばかりです。昔は子どもでも覚えてしまうくらい個性的な車が多かったので、今回、そんな車に出会えて、うれしくて楽しくて無邪気になってしまいました」と童心に返る。壇蜜は「いわゆる角の取れた車、エコっぽい車、車は丸くて、かわいくて、燃費がいいよね!みたいな世代だったんですけど、年上の人たちが乗っている角張った車を見ると『トガってんな~』とか、(2000GT-Rのキャチコピー)『ケン&メリー』は『ケンメリ』って呼ぶんだ!とか、1人で沸いてました」と受け止めた。
2人はドラマの見どころを語った。
升は「僕ら世代はもちろんですけど、若い世代の方にも昔の車は個性があってかっこいいと伝わると楽しいんじゃないかなと。昔はこういう性能で、こんな特徴があって、こういう所をウリにしていたとか、そういう見方ができると好きになってもらえるのでは」と指摘。壇蜜は「若い人たちが車から離れるというのは、車に関する知識とか車を見る機会が少なくなったからだと思うんですね。だからこそ、今回の番組では、車をなめるほど映したり、走る姿を執ように追ったりとか、車に対する執着心の固まりみたいな映像がたくさんで出て来るので、車が好きな人が作ったドラマということで、『いやらしい目』で見てください。旧車がいやらしく見えてくれば、あなたも立派な旧車好きになれると思う。まずは、イケないものを見ているような感じで、ちょっとずつ指の隙間から見て欲しい。『旧車はいやらしいぞ』って」と力説した。
「いやらしい目」で好きな対象にのめり込む。壇蜜は「車への執着は伝染すると思います。感染症の恐怖が世界を牛耳る最近ですが、車への興味が視聴者に伝播するのはこちらとしては楽しみですよ」と付け加えた。詳細は「映画・チャンネルNECO公式サイト」へ。
◇ ◇ ◇
NECO特設ページ:https://www.necoweb.com/neco/sp/kyusha/
NECO公式サイト:https://www.necoweb.com/neco/