2022.02.25(Fri)

無名芸人なのに最高月収は270万円超 YouTube、TikTokで絶大な人気誇る"タワマン芸人"橋本大祐

関西のお笑い界で若手ながら莫大な収入を稼ぎ出し"タワマン芸人"と呼ばれている男がいる。その男の名は橋本大祐（30歳）。

エルフや天才ピアニストと同じNSC大阪校38期生で、同期で5歳年下の森本哲央と「ホテル」というコンビを結成しているが彼の姿をテレビや演劇場で見る機会はほとんどない。今のところ彼の主戦場はインターネット上。

一般的なお笑いファンには認知されていないが、YouTubeチャンネル「ホテル橋本のオリジナルLINEストーリーズ」や、妹でミュージシャンの橋本菜津美とコラボしたTikTokアカウント「橋本兄妹」が若者の間で人気沸騰。それにより"無名芸人"としては思いもよらない額の収入を得ているというわけだ。

若き無名の成功者はいったいどのような経緯で現在の地位を築いたのだろうか。彼が住む大阪市のタワーマンションで話を聞いた。

「YouTubeが軌道に乗るまでは家賃55000円のマンションに住んで、パチンコ屋、派遣、ウーバーイーツとかいろんなバイトをしてました。お笑いに集中したかったので必要以上は働かなかったんですが、その分いつもお金はなかったですね。そんな生活から抜け出せたのは2020年12月です。YouTube等の月収が50万を超えたので完全にバイトを辞めて、去年の4月にはタワマンに引っ越しました」

アルバイトと掛け持ちの貧乏芸人生活を抜け出し、最高月収は270万円超という彼だが新たな悩みもあるという。

「タワマンに引っ越したのは仕事の環境を整えてモチベーションを上げるためなんです。元々、お酒も飲まないし贅沢にあこがれはないので、収入が増えて良かったのは二郎系ラーメンで豚ラーメンを躊躇なく注文できるようになったことくらいですね（笑）。逆にファンからの誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントが減ったり、先輩から食事に誘われることが格段に少なくなりました。元カノから明らかにお金目当てのLINEが来たり（笑）」

インターネット上の人気コンテンツの作り方についても惜しみなく語ってくれた。

「基本的にはマネから入りました。今、何が流行ってるのか、他の人気コンテンツをリサーチ、模倣するところから始めて、そこに印象的なオリジナルコンテンツを入れ込んでいくんです。TikTokでは"あるある"が流行っていたので、まずバイトあるあるを始めようと決めました。妹の菜津美はキレ芸が上手いので、怒らせて最後の決め台詞で『クビやで』と言わせることでインパクトを作ることが出来たと思います」

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鋭い洞察力でインターネットを舞台に成功をつかんだ橋本。しかし彼が活動の主軸に置くお笑いコンビ「ホテル」は既存のお笑いファンや業界からほとんど評価をされず、これまで4回出場した「M-1グランプリ」でも1回戦、2回戦で敗退してしまっている。

「ホテルの漫才が認められないことは普通に悔しいです。何度も心が折れかかっていますが、相方の森本は心底面白い芸人だと思うので、どうにか世間にそれを認識させたいと思っています」

お笑い業界と自身の今後について

「今の若い人はスマホを見ることが多くなっています。テレビは番組に出演しないと放送されませんが、スマホだとSNS、ラジオ、生配信などいくらでも活躍の場があります。後者は自分の工夫次第でどんどん発信していけるので、これから生き残れるのは自ら発信ができる芸人ではないでしょうか。とは言えテレビの枠でも実力を試してみたいという気持ちはあります。面白ければどんなコンテンツでもいい。これまで培ってきたものを生かして、今よりもっと有名人になって人気と影響力を手に入れたいです。」

と橋本。彼が生み出している諸々のコンテンツは旧来のお笑いファン、お笑い業界がまだつかみ切れていない新しいお笑いの形なのだろう。時代が橋本の感覚に追いつくのはいつになるだろうか。