ワリエワ、薬物3種類で効果アップ 識者「偶然合わさる」可能性に疑問

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 カミラ・ワリエワ
 カミラ・ワリエワ

 日本アンチ・ドーピング規律パネル委員長でスポーツ仲裁裁判所(CAS)仲裁人も務める、立教大学法学部教授で弁護士の早川吉尚氏が17日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、北京五輪のフィギュアスケート女子でドーピング問題の渦中にあるロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワについての「偶然」に疑問を投げかけた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が15日、ワリエワから新たに2種の薬物が検出されたと報じた。2種類の薬物はハイポキセンとL-カルニチン。この2種類は禁止薬物ではない。

 陽性反応を示した禁止物質トリメタジジンを含め、3種類の物質は心臓疾患に使用される治療薬。ニューヨーク・タイムズは米国半ドーピング機関(USADA)の最高責任者トラビス・タイガート氏の「3つを混合して使用する利点は持久力の向上、疲労軽減、酸素使用の効率を高めること、これらを目的としているようだ」というコメントを紹介している。

 早川氏は「『禁止薬物だけはおじいさんから入ってきて、2つは自分が飲んでいる』と。しかし、偶然3つが体の中で合わさってより効果が上がるということになりますと、『おじいさんのグラスを誤って使った』というストーリー自体が信ぴょう性があるのか、というところに影響が出てくると思います」とコメントした。MCの羽鳥慎一アナウンサーは「禁止されてない薬は飲んでます。禁止されてる薬はたまたま入りました、はちょっとなかなか、普通に考えると難しいかなと」とかみ砕いて追加説明した。早川氏は「3つ合わさってより効果が上がるというのが偶然自分の体の中で起こる、ということはなかなか説明としては納得いくのが難しい」と重ねて指摘した。

 ワリエワの検体から出た禁止薬物であるトリメタジジンは血管拡張などを促し、血の巡りをよくする効果がある。早川氏は、フィギュアスケートはジャンプなどのためのパワーも必要だが、5分間、過酷な有酸素運動を続ける持久力も必要とされると解説。心肺機能を上げる薬物については「心肺機能が未発達な少年少女が使うと、心臓に、その後の健康ということを考えた時に大きな負担がかかりますけど、その瞬間には大きなパフォーマンス効果があります」と説明した。

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