雑誌「Zipper」が令和に復刊のわけ 敏腕新編集長が語る「おしゃれの決めつけを求めていない」世代

原宿発ファッションカルチャー雑誌「Zipper」が復刊する
原宿発ファッションカルチャー雑誌「Zipper」が復刊する

 2017年に休刊したファッション誌「Zipper」(祥伝社)が3月23日を予定に復刊する。新編集長には雑誌「Popteen」の元編集長で、 ”にこるん”(藤田ニコル)や”みちょぱ”(池田美優)らの人気モデルを生み出した敏腕・森茂穗氏(43)が就任。令和の今に「Zipper」を復刊する理由を語った。

 Zipperは1993年に創刊され、原宿発のファッションやカルチャーを発信。木村カエラやきゃりーぱみゅぱみゅらが表紙を飾った。「パチパチズ」と呼ばれる読者モデルが多数登場し、街のおしゃれを切り取るストリートスナップ企画が人気を博していた。

 平成時代に愛された雑誌をこのタイミングで復刊することに、森氏は「Z世代の指向性に『Zipper』が一番合う」と説明する。「Zipperは『私らしさ』を大事にしている雑誌」。「多様性」や「私らしさ」「SDGs」などZ世代の関心がこれまでのZipperのあり方とマッチするといい、「これからの若い子たちにとっての時代観・ファッションが〝原宿〟になるのではないか」と語った。

 新生Zipperは「私の『おしゃれ』は自分で決める!」をテーマに掲げ、個性を重視する根幹は変わらない。「ファッション雑誌が今まで提案し続けていたことは『これがおしゃれですよ』という決めつけだった」と話し、「今の子たちは、誰かが決めたものではなく”私にとってのおしゃれ”を求めている。それを認める場がないのでは」と考えを明かした。

 新生Zipperでも名物のストリートスナップを実施予定。かつて原宿のスナップから生まれた読者モデルが雑誌を形作ったように、新パチパチズが新しいファッションを作り出すことを期待する。森氏は「(読者が)ファッションを通じてその人(パチパチズ)が発信する考え方に触れて、『私もこれでいいんだ』と思ってくれたら」と続け、Zipperの「私らしさ」と多様性を重視する時代との合致を強調した。

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