ファミコンソフトの「説明書」だけでなんでそんな値段に!?レトロゲームの価格高騰が続いているが、1992年にリリースされた任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)ディスクシステム用ソフト「クルクルランド」の説明書が都内の店舗で12万円の値をつけ、話題となっている。
「クルクルランド」は、1984年11月に任天堂から発売されたファミコン用ソフト。金塊を探し出すアクションゲームで、ファミコン黎明期の人気作品だ。1986年に発売されたファミコンの周辺機器・ディスクシステムの書き換え用ソフトとして、1992年に再登場している。
ファミコンにつないで使用されたディスクシステムはそれまでのROMカセットではなく、専用の磁気ディスクを採用。おもちゃ屋に設置されている「ディスクライター」にディスクを持ち込むと、新作ゲームを500~600円ほどで上書きしてもらえた。ゲームを書き換えると、ゲームタイトルのラベルシールとA4サイズ両面カラーのゲームの説明書が紙1枚で付属。店舗で説明書の在庫が切れると、白黒コピーのものが配られることもあった。
スーパーマリオブラザーズの続編「スーパーマリオブラザーズ2」や「ゼルダの伝説」は、当初ディスクシステム用のソフトとしてリリース。ディスクシステムのソフトは199タイトル発売されたが、1990年に登場したファミコンの後継機・スーパーファミコンやゲームボーイの人気により下火に。1993年には、全国のおもちゃ屋からディスクライターが撤去されている。
12万円といえば、最新のゲーム機が3~4台買える値段だ。なぜ「クルクルランド」の説明書は、そんな高値なのか?ファミコンソフト全1053本を箱、説明書付きでコンプリートしたYouTubeチャンネル「ソマリ・チャンネル」のSOMARIさんは、入荷の知らせを聞き店舗まで見に行ったといい「高くもなく安くもなく、妥当な値段だと思う」と話す。
SOMARIさんによると、ディスクシステムの「クルクルランド」はパッケージ販売がなく、書き換え専用ソフトとしてリリース。ディスクシステム末期の92年4月に登場したため、世に出ているものがそもそも少ない。ゲーム以上に説明書は「ファミコンカセットのような小冊子ではなく紙ペラ1枚で、すぐに捨てられていた」と、希少価値が高いという。
ディスクシステムの全199タイトルのコンプリートを狙うSOMARIさんは「クルクルランド」のディスク、ラベルシール、説明書のセットをオークションサイトで15万円で落札。「さすがに金欠になりました…」と振り返る。ちなみに、カセット版については「生産本数が多いので、容易に入手できます」という。
197タイトルを集めたSOMARIさんだが「谷川浩司の将棋指南2 新版詰め将棋 次の一手」と、手芸店のみで発売された「アイアムアティーチャー 手あみのきそ」という鬼レア2タイトルがどうしても入手できないという。時が流れるにつれ、価値が高まるレトロゲーム。あなたの実家の奥に眠っているかも?