関東から消える駅の「パタパタ」 最後の京急川崎駅ホームから撤去 関西では稼働中 

杉田 康人 杉田 康人
京急川崎駅ホームの「パタパタ」(京浜急行電鉄提供)
京急川崎駅ホームの「パタパタ」(京浜急行電鉄提供)

 東京都心と三崎口、羽田空港などを結ぶ京浜急行電鉄(京急)の川崎駅ホームに設置されている「フラップ式列車発車案内表示装置」(通称・パタパタ)が、2月中旬に予定されている更新工事に合わせて引退することになった。

 京急では、パタパタの使用終了に合わせ、「ナイトツアー」などさまざまな引退記念イベントを実施する。列車や駅、路線などの廃止などで記念の催しが行われるが、同社によると駅の装置の撤去で大々的にイベントが行うのは異例だという。

 「パタパタ」は、文字通りパタパタと音を立てながら文字パネルが回転し、行き先などを知らせる表示器。駅の他にも空港や、TBS系で放送されていた人気歌番組「ザ・ベストテン」で、ベスト10を表示するボードとしても知られていた。

 視認性がよく豊富な表示が可能で、1986年12月25日の川崎駅導入時には案内表示板の主流だった。近年、LED式への転換が進み、絶滅危惧種のひとつに。川崎駅では、4~7番線ホームに2001年に更新された5台のパタパタが稼働中。同社広報・マーケティング室によると「耐用年数がある」として引退が決まった。

 京急で現存していた唯一の機器が消えることで、関東地方からパタパタが消滅するとの声がSNS上などで上がった。同社の広報・マーケティング室の担当者は「関東でパタパタがあるかどうかすべて確認したわけではありませんが、かなりめずらしいと思います」と話す。同社の博物館・京急ミュージアムでの展示など、撤去後については何も決まっていないとした。

 2月4日の終電出発後に開催される20人限定、宿泊付きの「特別ナイトツアー」(18000円)では、関係者がパタパタの仕組みを解説した後に、参加者のリクエストに応じて今では使われなくなった行き先や列車を表示するという。12日の発表後、問い合わせや惜しむ声など「さまざまな声をいただいています」(広報・マーケティング室)と、反響は大きいようだ。

 関東からは姿を消すが、関西の私鉄ではまだまだ現役。近鉄や阪急のホームで、日夜音を立てている。LEDや液晶の表示器が全盛の中、レトロ感がたまらないパタパタ。京急広報・マーケティング室では、正式な撤去日は決まってないとして「撤去当日のセレモニーなどは予定していません。終電が発車した後、撤去することになるかと…」。〝運転終了〟前に、マニアは急げ!

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