京都市のよしもと祇園花月でこのほど、現役大学生の漫才コンビがプロと同じ舞台に立つ公演「第1回大学生お笑い祭り!」があり、M-1優勝経験のあるミルクボーイと笑い飯をはじめオズワルド、ネイビーズアフロの前でネタを披露した。
学生の街・京都にあるよしもと祇園花月が、お笑いサークルや落語研究会に所属する大学生漫才コンビを応援する企画で、第1回は京大、同大、関学大、関大、大阪芸大の5大学からコンビが参加した。MCを務めたミルクボーイは大阪芸大の落語研究会「落語研究寄席の会」出身。駒場孝(35)は「僕も大学生の時はとんがっていた」と、出場8組を温かい目で見守った。
M-1王者が2組いるそうそうたるメンバーの前で、3分間のネタを披露するという圧迫面接レベルの舞台。プロがネタの感想やダメ出しをするという触れ込みだったが、8組の大学生コンビは大奮闘し、280人の観客を笑いの渦に巻き込んだ。
同志社大学喜劇研究会から出場した漫才コンビ・ガブ沼打線のネタを見た笑い飯の哲夫(47)は「ネタにいらないところがないですね。文句のつけどころがない」と絶賛。同じサークルの漫才コンビ・ファイヤー金メダルJAPANをオズワルドの伊藤俊介(32)は「ボケの子が自分が何を言ったら受けるか分かっている」と評した。
お墨付きをもらった8組の大学生漫才コンビ。大舞台を踏んだことで、お笑い芸人への夢が急加速する…と思いきや、目標や進路はさまざま。京都大学落語研究会の4年生漫才コンビ・ダイモンダイの渡邊凌雅さんは「冗談抜きで、一番幸せな時間だった」と振り返りながらも4月からの就職が決まっているといい、相方の廣渡響さんも「内定先が決まっていて、プロになることはない」とした。
関西大のお笑いサークル・関大ストラットの1回生漫才コンビ・ダイワダイの小幡さんはお笑い芸人志望だが、相方の本田さんは芸人になる気がゼロだった。祇園花月の大舞台出演を、小幡さんは消極的な相方の芸人志向を上げるきっかけにするつもりだが、本田さんは「50%以上に上がりました…?」と、まだまだ決意は固まっていない。
よしもと祇園花月の橋本修支配人(50)は「京都は学生の街。大学生の10分の1でも、劇場に来てもらいたいという趣旨で始めた。もっとたくさんの大学生のお笑いコンビに声をかけて、トーナメントとかできたら」と“大学生版M-1”の開催なども含め、関西の大学生お笑いシーンを盛り上げていく考えだ。