2代目次元大介役の大塚明夫 小林清志に敬意 「小林のトレース」から「大塚の進化」目指す

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
「ルパン三世 PART6」の次元大介 原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV 
「ルパン三世 PART6」の次元大介 原作:モンキー・パンチ (c)TMS・NTV 

 昨年10月に日本テレビ系で放送が開始された人気アニメシリーズ最新作「ルパン三世 PART6」(毎週土曜、午前0時55分)が、8日から第2クールに突入することを受け、今作で次元大介役を小林清志から受け継いだ大塚明夫のインタビューが公開された。第1クールを終えた現在の心境、2クール目に臨む心構えなどが語られた。

 昨年12月に1クール目が幕を閉じた今、「1クール目は無我夢中で、常に『もっとやらないと』という気持ちがあふれて、走り終えた感じは全くないんです。次元大介の背中が少し見えてきているので、輪郭がぼやけてしまわないうちに、早く追いつきたいという焦りでいっぱいです」と話す大塚。しかし、焦りの中でも「次元大介への向き合い方」に変化はないと断言する。

 「『次元大介は永遠であれ』という、10年20年そこらではない”オールドファン“の気持ちを持っていますので、どこまでも清志さんの作った次元を大事にしていきたいという想いがあります。次元への向き合い方は、やはり変わらないです。特に、清志さんは50年間も次元を演じ続けてこられたので、どの時代の次元大介でいるべきなのか、をすごく考えます。これから自分も歳を重ねていけば、音の出方やいろんなものが変わってくると思うのですが、変わっていく前の”次元大介の原型”のような部分にいつも思いを飛ばしていないと、それていってしまうのではと。だから、『PART1、2、3』のころの次元に近づこうと思い続けています」

 自身も『ルパン三世』のオールドファンだからこそ、目指す「小林次元」のイメージを明確に持ち、大切に守りながらアフレコに臨む様子がうかがえる。思い描く次元に近づくために、実際、日頃心がけていることなどを問うと、心理的な面からフィジカルな面まで、ユニークなアプローチ法が見えてきた。

 「昔の『ルパン三世』シリーズをユーチューブでランダムに見ています。清志さんの音をコピーするという意味合いよりは、『ルパン三世』の世界、空気感を胸いっぱいに吸ってからアフレコに臨みたいと言う気持ちです。また、形から入ることも大事なことだと思っています。全国のコスプレイヤーのみなさんは分かってくださると思うのですが(笑)、収録の際は、次元の気分になるためにも、やはり黒いハットはかぶりたいなと思っています。栗田貫一さんは『リアル次元大介!』と言ってくださいました(笑)。それから、次元のセリフではなくても、例えばハードボイルド小説にある決め台詞を次元大介風に言ってみたりしています。清志さんはとにかく決め台詞がかっこよくて、昔のニッポンの大人たちの“やせ我慢のかっこよさ“の部分が、ハードボイルドなものにも通底して流れている。遊びの延長で始めたことですがなかなか面白くて、次元の良いエクササイズになっているといいなと思います。次元はすべてが決め台詞なわけではなく、ある意味、抜けたところも出来ないといけません。難しいのは、その部分です。力の抜け方みたいなところが、日常の中のなんでもないイメージトレーニングも含めて、やはりこれから身につけていかなければいけないところだと思っています。自分のオリジナルの役ではなく、“次元”がやるわけですから…やはり道は細いです。少しでも油断すると、踏み外してしまいます」

 声優として長年の幅広い経験値を持つレジェンドでありながらも、50年の歴史ある次元大介役を前にしては、その道は少しでも油断すると踏み外してしまうほど細いと語る。様々な角度から真摯に、時に遊び心も織り交ぜながら、次元というキャラクターを掘り起こすべく独自のアプローチを生み出し、向き合う日々。その中で、次元大介に近づくための最も大切なハウツー、すなわち【次元大介の歩き方】が見えてきたと語る。

 「清志さんをトレースしていこうとする中で、どうしてもにじみ出てきてしまうのが、〝大塚明夫版 次元大介〟になっていくと思うんです。最初から”大塚明夫版”を意識すると、出来上がったものは次元と違うものになってしまう。だから、あくまでも清志さんの次元をトレースしていこう、というアプローチは忘れずにいたいです。そのアプローチをブラさずにいけば、次に次元大介を引き継ぐ人に、成功すれば伝えられるし、もし失敗したら違うんだと伝えられる。『次元大介の歩き方』みたいに(笑)その上で、進化もしていかないと。雑になってしまったり、前のが良かったなと思われないようにしていきたいですね。難しいです」

 ユニークなアプローチ法の根底に変わらず流れる「小林次元をトレースする」という気概と、常に気を引き締めながらも「大塚次元の進化」にも挑んでいく。

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