人気特撮番組「ウルトラマン」(TBS系で1966年7月から67年4月まで放送)でフジ・アキコ隊員を演じた女優の桜井浩子といえば、何度も繰り返されてきた再放送や映像ソフトなどを通して、特撮ファンにとって世代を超えて憧れの存在だ。お笑い芸人、プロレスラー、特撮キャラクターの収集家として知られるコラムニストのなべやかんは、交流のある桜井が発信しているYouTubeのトーク番組などに注目し、その魅力をつづった。
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『ウルトラQ』『ウルトラマン』で活躍された女優でプロデューサーの桜井浩子さんがSNSで大活躍している。
新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言が続き、イベントやドラマ&映画撮影が思うように進まなくなっていた頃、桜井さんのYouTube『ROCO TALK』が開設された。バーのカウンターを挟みゲストの皆さんと昔話に花を咲かせるトーク番組だ。バルタン星人の生みの親・飯島敏宏さん、ウルトラマンのスーツアクター・古谷敏さん、『ウルトラQ』の戸川一平役・西條康彦さんなどが出演している。
『ROCO TALK』を立ち上げたきっかけは「レジェンドの方々の笑顔を残しておきたい」という気持ちからだった。西條さんゲスト回では青山でスナック「アトラス」を始めた時の話題となり、「最初の客が女優の笹るみ子だった」と西條さん。「笹るみ子」というのは、私の母である。「俺が最初に作ったのは、やかんのミルクだよ」。これには観ているこちらが赤面してしまった。
今年8月21日、『ウルトラマン』で共演した科特隊のイデ隊員役・二瓶正也さんが亡くなられた。「二瓶ちゃんが居なくなり、明日は我が身という思いがあり、撮影のふとした事を覚えているうちに皆さんにお知らせしておきたい」ということで、桜井さんはTwitterを開設した。
TwitterにツイートするとLINEでお知らせも下さるので、毎回ツイートチェックさせていただいているが、ウルトラ好きとしては知っておいた方が良い情報が書き込まれている。
漫画家の楳図かずお先生にお会いした時に「『まことちゃん』の花子先生は桜井さんがモデルです」と言われた時のエピソードなど、本人が語ることの重要性は高い。瀬戸内寂聴さんが亡くなられた時は、講談社『なかよし』の写真小説主人公に応募した時のエピソードが書かれていた。「三谷晴美様(編集注・かつての本名で、少女小説投稿時の筆名)の御推薦がなかったら、今、私はここに居ませんでした」という女優・桜井浩子誕生秘話も語られている。
今回、コラムを書くにあたり、桜井さんに「今までイベントや本などでウルトラの話をされて来ましたが、まだ話されていないお話はありますか?」と聞くと、「今までは質問に答える形式なので聞かれていない事は話せないでしょ。YouTubeやTwitterは自分発信だからね」と返答があったので、まだまだ我々が知らないエピソードがあるのだということだ。それを知ってしまった以上、桜井さんのSNSから目が離せないでいる。
ウルトラ好きの皆様、桜井さんのSNSチェックを日常のローテーションに入れてみてはどうでしょう?