将棋の藤井聡太三冠(王位・叡王・棋聖)が豊島将之竜王に挑戦する第34期竜王戦第4局2日目が13日、山口県宇部市のANAクラウンプラザホテル宇部で指し継がれ、藤井三冠が122手で勝利。第1局から4連勝で竜王位を奪取し、史上最年少となる19歳3カ月での四冠同時保持を達成した。
豊島竜王の先手で迎えた今局の戦型は角換わりとなり、1日目の午前中に64手まで進む超ハイペースな展開に。結局、1日目は73手まで進み、藤井三冠が封じて終了。早くも形勢が揺れ動く激戦となったが、封じ手の時点ではすでに藤井三冠がやや指しやすいとみられていた。
2日目も藤井三冠が落ち着いた指し回しで徐々にリードを拡大したものの、藤井三冠の消費時間が増え、2時間以上の差がつく局面もあった。その流れを受けてか、中盤から終盤にかけて差が詰まり始め、一時は豊島竜王が優勢に。だが終盤、豊島竜王の緩手をついて藤井三冠がまたも逆転。再び得たリードを今度はしっかり守り、最後は豊島玉を寄せ切った。
これまで将棋の四冠同時保持者は、羽生善治九段、谷川浩司九段、中原誠十六世名人、故・大山康晴十五世名人、故・米長邦雄永世棋聖の5人のみ。過去の最年少四冠は羽生九段の22歳9カ月で、藤井新竜王は史上6人目にして、初めて10代での四冠王となった。