話題沸騰「醬油ネイル」10時間費やすも5日でオフ 会社上司からNG「醬油より青がダメ」

 魚型のタレ瓶が爪に載った「醬油ネイル」の写真がツイッターで1万5000件超のリツイートと拡散され話題になっている。この作品をつくったネイリストの「joyeux ponopono(ジョワイユー・ポノポノ=通称・ポノ)」さん(@joyeux_ponopono)は、「醬油メインで」という常連客の独特な注文に真剣勝負で応えた。

 白地に青色で和風模様をペイントした爪に魚型のタレ瓶やすしが載せられ、したたり落ちた醬油を再現した装飾が施された。青い模様は醬油皿をイメージ。白色の上に、オーロラ色に輝く材料を用いて光沢を出した。

 自作した魚型タレ瓶の中身は「本物の醬油」。「うちにあったのがこいくち醬油だったので、水を足して色を薄めに変えました」と発色を調整した。傾けると中の液体が動く。

 装飾のパーツは客の爪の上で施術する前にあらかじめ製作しておくことが一般的で、タレ瓶のパーツは「最高のパフォーマンスでやりたい」と、4~5時間かけて作った。爪に載せる段階では、土台となる爪の形を形成したり、模様を描いたりと、さらに5~6時間を費やした。

 このユニークなデザインを注文したのは、常連客の「ちんすこう将軍」さん。毎回、個性的な要望をするため「醬油メインで」とイメージを伝えられた時も驚きはなかった。ポノさんは「そういうお客さまに遭遇すると、ニヤニヤしちゃうんですよね。真摯な気持ちで注文してくるので、その気持ちに応えることは楽しいです」とうれしそうに話した。

 入念にデザインを話し合い、合計約10時間をかけて完成した「醬油ネイル」だが、爪の上で輝いたのは5日間のみだった。「5日でオフ。醬油がダメというより『青いものがダメ』と言われたらしくて」。

 ネイルアートは約1カ月程度で付け替えることが一般的だが、ちんすこう将軍さんは会社の上司から”NG”を受け、短い期間でネイルを落とすことになってしまった。タレ瓶のパーツは「いつでも載せられるように保管はしてもらっています」と、ちんすこう将軍さんの元に残されたが、ネイルとしての復活は未定という。

 ポノさんのネイルアートは他にも、魚をモチーフにした作品が多くある。偏光パールやラメのネイルカラーに出会い「魚の腹」を連想したことがきっかけだった。さらに、太刀魚がマニキュアの銀色の原料に使われていたという話を聞きつけ「じゃあジェルネイルで魚を作ったらよくない?」と考えたという。

 ポノさんはスイスやフランスの大学で現代美術を学んだ経歴を持ち、ネイルアートを始めたのも現代美術の作品に取り入れるためだった。インターネット上に自作のネイル作品を掲載する人たちから刺激を受け、”いつの間にか”ネイリストに。現在は「なるべく見たことがないものを作る」を心がけ、ネイルアートを楽しんでいる。

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