小説家のリー・チャイルドは、「ジェームズ・ボンド」は時代遅れのヒーローだと考えているという。「ミッドナイト・ライン」などで知られるリーは、007が「大英帝国の衰退に対する解毒剤」であり、現代社会では「もはや居場所がない」と感じているため、そろそろ007を殺すべきだと提案している。
デイリー・スター紙はリーの言葉をこう引用した。
「ジェームズ・ボンドは、1950年代の困難な時代をある種のイギリス人が乗り切るための代理人だった。でも今はもうそんな時代じゃない。このストーリーをどうやって今の時代に関連させるのか、考えてもわからなかった。事実上、時代物だよ」
リーは、イアン・フレミングが生み出した007は「1950年代の英国の相対的な無力感」への対応策だと考えていたため、2000年代にボンドの新作を書く機会を2度にわたって断ったという。
また、その小説を書くことによって本の印税を分け合わなければならないことから、「自分の時間を不経済に使うことになる」とも考えたそうだ。
一方、来月1日に日本公開予定の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」を最後にボンド役を降板するダニエル・クレイグは、この伝説的なキャラクターを演じたすべての瞬間が「大好き」だったと明かしている。
「信じられないほど誇りに思っているし、これが出来て本当に幸運だったと思っている。これらの映画の一瞬、一瞬が大好きだった。特にこの作品はね。毎朝起きて皆と一緒に仕事をする機会に恵まれたことは、私の人生の中でも最高の栄誉だ。自分が考える限り、僕は世界で1番の仕事を得たと思う」