現役レスラー2人で存続危機「こびとプロレス」再生目指しクラウドファンディング開始

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
クラウドファンディングのキービジュアル
クラウドファンディングのキービジュアル

 現役レスラーは国内2人のみとなった「こびとプロレス」の再生を目指し、クラウドファンディングが22日に開始された。専用リングの購入、試合や練習のための環境整備、新しいレスラーを迎える準備のため、目標金額を250万円に設定し「READYFOR」で10月15日まで実施する。

 小人プロレス界最大のスターとして知られるミスターポーンを父にもつ、小人レスラーのサラブレッドで、舞台俳優としても活動しているミスターブッタマンは「プロレスラーとしての日々のトレーニングは本当に厳しく、正直な話、何度も逃げようと思ってきました。プロレスを離れていた時期もあります。それでも、今まで続けてきた一番の理由は、試合が楽しいから。デビュー戦はもちろん、武道館、東京ドーム、横浜アリーナ、両国国技館、有明など思い出の試合が数えきれないほどあります。全盛期には、お客さんが満員状態で、有名選手や他団体の方もいて、にぎわっていました。リングが大きな歓声に包まれる時、何度も『辛くても、やっていてよかった』と誇りに感じたことを覚えています。そんな経験をくれたプロレスは、自分にとっての『宝物』です。こびとプロレスを、たくさんの方にみてもらいたい。また、あの試合の盛り上がりを感じて、お客さんの笑っている顔がみたい。そのために、また動き出していきたいと思っています」とコメントを寄せた。

 レスラー活動のみならず、蜷川幸雄や美輪明宏演出舞台などに出演し、小人プロレスと小人俳優のダブルエースを狙うプリティ太田は「子どものころからプロレスの大ファンでプロレスラーに憧れていましたが、自分の体ではプロレスラーにはなれないと思っていました。こびとプロレスの存在を知り、自分もリングに立てるのではないかと、希望を抱くことができたのです」と憧れを抱いた経緯を吐露。「けれども、自分がプロレスを始めた時、すでにこびとプロレスは衰退していて、現役のこびとレスラーはブッタマンだけという状況。2人で試合をして、練習をするしかない。練習できる場所も、リングに上がれる機会も少ない。夢はあっても、先に進むことができないというジレンマを抱えてきました。こびとプロレスの存続は、自分たち次第だとわかっているのですが、二人だけでやれることは限られています。こびとプロレスの再生は、自分にとってのデスティーノ(運命)です!ぼくたちが動かなければ、日本のこびとプロレスは消えてしまうかもしれないのです。メキシコやアメリカのように、小柄な身体をいかして飛んだり、跳ねたり、激しく明るく楽しいプロレスの魅力を伝えたい。そして、『プロレス=野蛮』ではないことを広めたい。ほかのプロレス団体と試合をしたり、テレビに出たり、子どもたちに出前プロレスをやったり…。自分がこびとプロレスと出会ったことで『プロレスラーになりたい』という夢をもつことができたように、たくさんの人に夢と希望を届けたいのです」と呼び掛けた。

 同クラウドファンディングは「こびとプロレス再生プロジェクト実行委員会×Get in touch」が企画。アートや音楽、映像や舞台など、エンターテインメントを通して「誰も排除しないまぜこぜの社会」を目指して活動を行う一般社団法人Get in touch(代表:東ちづる)と、その活動に賛同した有志メンバーが立ち上げた。試合を行うだけでなく、活躍の場を増やし、こびとプロレスを新しく活性化させることを目的にしている。

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