「服で人生を変えた」全身灰色〝地味な主婦〟から大変身 アラ還ファッショニスタ

 カラフルで個性的なファッションを披露する〝アラ還〟の女性がSNS上で注目を集めている。コーディネートを投稿するパーソナルスタイリストのTAEKOさん(58)は、40歳まで全身灰色の地味ファッションで過ごしていた過去を明かし「年齢に関係なく、好きな服を自信持って堂々と着たらいい」と語った。

 「『ファッションはおしゃれだけじゃなくて人生も変える』と言われているけど、私は本当にそれで人生を変えていった」と語るTAEKOさんは、今でこそカラフルで華やかな服を身につけているが、40歳頃までは「グレーのボロボロのジャージー上下で生活していた」と明かす。

 デザイナーやアパレルの販売員として働き、ファッションが好きだったTAEKOさんだが30歳の頃、出産を機に育児ノイローゼに。「ワンオペ育児で、助けてもらえる人がいなくて。引きこもっていて社会との接点もない」状態で、外出は子どもと公園やスーパーマーケットへ行く程度という生活が約10年間続いた。当時は「目立ちたくない、消されてしまいたい」と思いつめていたといい「目立たない」という理由で灰色の服ばかりを選んで着ていたという。

 2人の子どもを育てる「引きこもりで地味な主婦」の転機は、ベランダで洗濯物を干していた際に、自身の「老婆のような姿」が窓に映ったことだった。「自分の姿だったことにすごくショックを受けて。『ファッションが好きでおしゃれだった私の姿じゃない。今変わらないと一生後悔する』と思って、そこから服を変えようと思った」。少しずつ明るい色の服を着るようになり、灰色の服を処分した。子どもたちからも好評だといい「グレーだった時は全然おしゃれじゃなかったし、(服装に)気を使うようになって喜んでくれています。『お母さんらしい』とまで言ってくれています」と笑顔を見せた。 

 鮮やかな色使いを楽しむ現在の洋服代は1カ月あたり約10~20万円。洋服を変えたことで性格も変化したといい「人見知りなんですけど、こういう派手な格好していると(他人から)話しかけてもらいやすい。『髪の毛の色きれいだね』とか『それどこで買ったの』とか、声をかけられます。 明るくなりました」と楽しそうに話した。50歳からはパーソナルスタイリストの仕事を始め、個人客に服選びのアドバイスをしている。

 動画投稿サイトTikTokのアカウント(@taeko555)では、「ベラコレ」(ベランダコレクション)をテーマに、自宅のベランダで撮影した日常のコーディネートを披露している。洗濯物が写り込む生活感とかっこよくキマったファッションのギャップが特徴の一つ。「 おしゃれな人ではない、普通の人でも服でこれだけ変わることができるよと見せています」という。

 視聴者からは「同じ50代です」や「(TAEKOさんの)ファッションを見て元気になった」などのコメントが寄せられることもある。TAEKOさんは、「これまで50代のファッションは『暗い』『地味』『ダサい』とかだったと思うんですけど、そこを私は変えたいと思っていて。年齢に関係なく好きな服を自信持って堂々と着たら、周りも自分も元気になるので(好きな服を)着たらいい」と明るい表情で語った。

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