プロ野球・日本ハムの中田翔内野手(32)が違反行為を行ったとして、統一選手契約書第17条(模範行為)による出場停止処分が科されたことが11日、分かった。同球団が発表した。
日本ハム球団によると、中田は8月4日に行われたエキシビションマッチ・DeNA戦(函館)で、同僚の選手1人に暴力行為を行った。球団は判明後、中田に対し、試合中に球場からの退場と自宅謹慎を命じたという。中田は当該の試合で、1回に先制の適時二塁打を放ったが、直後の2回の守備から交代していた。
その後、球団は中田本人および該当行為を受けた選手、さらに事情を知る選手・スタッフらに対して詳細な調査を実施。被行為者である選手からは「大事(おおごと)にしたくない」という旨の申告があり、中田自身も深く反省していたという。
それらの諸事情を踏まえた上で、球団は「中田の行為は統一契約書第17条に違反し、野球協約第60条(1)の規定に該当するものと認定」したため、同選手に対して当面の間、一軍・ファーム全ての試合の出場停止処分を通達した。
中田は2007年の高校生ドラフト1位で日本ハムに入団。和製大砲として、元ヤクルト、日本ハムで侍ジャパン監督の稲葉篤紀氏に並ぶ歴代61位タイの通算261本塁打を記録している。今季はここまで39試合の出場で打率・193、4本塁打、13打点と不振。私生活では7月30日に第4子となる次男が誕生したばかりだった。
日本ハム・川村浩二代表取締役社長兼オーナー代行のコメントは以下の通り。
「このたびの中田選手の出場停止処分に際して、ファンの皆様、関係者の皆様にご心配をおかけしますこと、ご不快な思いをさせますことに、深くお詫び申し上げます。
暴力はいかなる社会であれ、決して許されるものではありません。ましてや中田選手は球団の主力選手であり、顔であって、全ての選手の模範とならなければならない存在です。中田選手が行った行為は、プロ野球が青少年の健全な育成に寄与し、夢を与えるエンターテイメントでもあることの信頼を著しく傷つけるものです。
そのため、当球団はこの行為に対して野球協約に則り、厳正な対応をとることとしました。併せまして、暴力は決して許されないことを全ての球団関係者に再徹底し、選手についてはさらなる教育と指導を通じて、コンプライアンスおよびスポーツマンシップの向上を遂げることにより、ファンの皆様の信頼回復に努めてまいります」