東京五輪卓球日本代表の水谷隼が2日、団体1回戦のオーストラリア戦に出場し、勝利に貢献。試合後は取材に応じ、アスリートへのSNS上を中心とした誹謗中傷行為に断固たる処置を持って臨む決意を改めて示した。
水谷は7月28日、混合ダブルスで日本初の金メダルを獲得した後、自身のSNSに誹謗中傷のメッセージが届いていることを告白。「とある国から、『○ね、くたばれ、消えろ』とかめっちゃDMくるんだけど免疫ありすぎるオレの心には1ミリもダメージない」と投稿しつつも「それだけ世界中を熱くさせたのかと思うと嬉しいよ」と意に介していない様子だった。
この投稿に対しては、水谷の精神力の強さを称え、誹謗中傷を非難するリプライが殺到した。だがごく一部で、水谷の投稿が人種差別や外国人へのヘイトにあたるという批判もなされていたこともあり、水谷は29日に当該ツイートを削除した。
だが、その後も水谷への中傷は収まらず、水谷のツイートを「差別を扇動した」と非難するツイートも見られた。水谷は同31日には「くたばれ」「消えろ」など書き込まれた投稿を動画で添付し、「あまりにも悪質な誹謗中傷は全てスクショしていますし、関係各所に連絡を行い然るべき措置を執ります」と伝えていた。
この日の試合後、水谷は一連の発信について、「できるだけ先頭に立って、アスリートや色んな人への誹謗中傷がなくなってほしい」とキッパリ。「僕は昔からビックマウスと言われていた時代もあったし、人一倍攻撃を受けてきて、他の選手より免疫もある」と自負した上で、「でも、それ(中傷)を許してはいけない。自分がそれを放っとくと、結局次のターゲットに移ってしまうので、そこはしっかり対処しないといけない」と、アスリート全体の危機意識を背負う使命感を明かした。