米国の実業家であるジェフ・ベゾス(57)が、宇宙飛行士になるという子供の頃からの夢を実現させた。20日、Amazon創業者で世界一の資産家であるベゾス氏と乗組員たちは、自身の民間宇宙飛行会社ブルーオリジンでテキサス州西部からの打ち上げを成功、無事地球に帰還した。
ベゾス氏は、自身の弟マーク、オランダ人のオリヴァー・デーメン(18)、航空宇宙パイオニアのウォリー・ファンク(82)ら、それぞれ最年少と最高齢となった宇宙旅行者と共に、ニューシェパード・ロケットに乗り飛行した。
カプセルは飛行開始から約2分後にロケットから分離、上空100kmにある宇宙の境界線として知られるカーマン・ラインに向かって上昇した。一行は約11分かけて宇宙へと旅立ち、パラシュートで降下するまでの約4分間、座席から降りて機内を浮遊することができたようだ。
機内からの景色に感嘆した搭乗者のウォリーは「わあ、世界を見て」と歓喜の声を上げ、ベゾス氏はカプセルが着陸後、「宇宙飛行士ベゾス、最良の日!」とコメントした。
ブルーオリジン社初の有料乗客となったオリヴァーは、ある匿名希望の人物が2800万ドル(約31億円)で座席を落札し事前にフライト予定日を知っていたものの、「スケジュールの都合で」席を辞退したため、代わって搭乗することになったという。
この件について、ブルーオリジン社の最高責任者ボブ・スミス氏は、こう説明していた。「現時点では匿名を希望されているブルーオリジンのオークション落札者の方は、スケジュールの都合上、今後の飛行機会を選択されました。その方には、クラブ・フォー・ザ・フューチャーへの寛大なご支援に感謝するとともに、オリヴァーをお迎えして飛行できることを光栄に思います。これは商業的な運行の始まりであり、彼は宇宙への道を築くための新しい世代の象徴になるでしょう」