『フットボールネーション』大武ユキ氏のがん治療経て連載再開「また、描くのが楽しく」

澤田 英延 澤田 英延
連載が再開された「フットボールネーション」=(C)大武ユキ/小学館
連載が再開された「フットボールネーション」=(C)大武ユキ/小学館

 9日に発売されたコミック誌「ビッグコミックスペリオール」で、サッカー漫画「フットボールネーション」の連載が再開された。同作は2020年8月27日発売の同誌18号で、作者の女性漫画家・大武ユキ氏が、乳がん治療に専念するため、休載すると発表していた。

 大武氏は昨年11月に自身のツイッターで【寛解と連載再開準備のご報告】と題して、患部の摘出手術、遺伝子検査、放射線治療を終えて寛解したことを報告。治療後も断酒と運動を続け「足腰も体幹もしっかり、お肌の調子も良いと言う、健康体になりました」と変化を伝えていた。

 担当編集者によると、大武氏は休んでいる間に、これまで紙に描いていた原稿を、デジタルに変更した。失敗しても描き直しが容易なため「思い切って描けるようなって、また、描くのが楽しくなってきた」と前向きに語っているという。

 編集者は昨年11月の大武氏の寛解を受けて話し合い、3話分を描きためて再開することを決めた。がんになる以前は2回掲載、2回休みというペースで連載が続いていたが、今後は体調を見ながら進めていく形になる。今年の11月末には発売延期となっていた単行本16巻も店頭に並ぶ予定だ。

 物語は現在、主人公が所属する東京社会人リーグ3部の「東京クルセイド」が天皇杯の決勝を戦うクライマックスが描かれている。大武氏はツイッターで、「描かなきゃならない、描いてくれとキャラが言っているストーリーがあることに気付きました」とコメントしており、作品の世界がさらに広がる可能性も示唆している。

 「フットボールネーション」は2010年から同誌で連載がスタート。元有望選手ながら、少年院に入っていた沖千尋を中心に「東クル」が天皇杯優勝を目指すストーリー。従来のサッカー漫画とは一線を画す、科学的にアプローチしたトレーニングなどが詳細に描かれているのが特徴となっている。

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