米映画監督のリチャード・ドナーが死去した。91歳だった。妻でプロデューサーのローレン・シュラー・ドナーとリチャードのマネージャーが発表、死因については明かされていない。
『トワイライト・ゾーン』『ペリー・メイソン』『0011ナポレオン・ソロ』など人気テレビドラマの制作を担当後、1961年の『宇宙船X-15号』でスクリーンデビュー、1976年のホラー名作『オーメン』で映画監督として名を馳せたリチャード、その後1976年クリストファー・リーヴ主演『スーパーマン』や『グーニーズ』、「リーサル・ウェポン」シリーズなどでメガホンを取り、『フリー・ウィリー』3部作、『X-メン』『ウルヴァリン X-MEN ZERO』でプロデューサーとしても活躍した。
昨年12月には「リーサル・ウェポン」シリーズ5作目の製作について、「これで最後だ。この作品を一段落させるのは私の特権であり義務だからね。実際楽しみだよ。最後の作品だ。約束する」とリチャードは話していた。
今回の訃報を受けてエドガー・ライト監督はこう追悼の言葉を送っている。「リチャード・ドナーの広い心とその沸き上がる魅力は、キャストらの素晴らしいパフォーマンスを通し彼の映画の中で輝いており、それは見事なものです。『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』『グーニーズ』に登場した全てのキャラクターを思い出します。リチャードはスクリーンに魔法を閉じ込める術を知っていましたから」「私が若い頃見て、後にもしばしば見返したものに『オーメン』があります。あまりに模倣されて、その完璧なペースとパフォーマンスによるホラー映画と見なされていません。70年代のデビッド・ワーナーの物語を初めて80年代の映画に収めたものとして、あの映画は私の心に永遠に焼き付いたのです。リチャードには一度だけ会ったことがありますが、面白く、チャーミングで、たくさんの話題を持っている人でした。(そして私のオタク的な質問にも喜んで答えてくれました)。もう2度と会えないと思うと悲しい気持ちです」
一方、ケヴィン・スミス監督はリチャードの偉業は映画業界に影響を与え続けるだろうとして、「リチャード・ドナーは『オーメン』で悪魔の子を作り、『スーパーマン』で現代のコミック本映画を発明、『リーサル・ウェポン』で相棒警官の映画を新しく作り直した。昨年あるプロジェクトで私は彼に会う機会があった。生まれながらのストーリーテラーだった。全ての映画をありがとう!」と感謝の意を綴った。