元宝塚トップスター・高汐巴、初の一人芝居に気合「自分の力を試す」

福島 大輔 福島 大輔
インタビューに応じた高汐巴
インタビューに応じた高汐巴

 元宝塚歌劇団・花組トップスターで女優の高汐巴が、19、20日に東京・品川区のスクエア荏原ひらつかホールで上演される舞台「BLACK&SHADOWS」で、自身初の一人芝居に挑戦する。高汐はこのほど、よろず~ニュースの単独インタービューに対応。宝塚退団後、30年あまりを経て挑む新たなステージへの思いを語った。

 今作は2部構成で、第1部では1960~70年代を中心に活躍し、シャンソンの女王と称えられたフランス人歌手・バルバラの半生を演じる。高汐は「シャンソンは、日本はエディット・ピアフが有名ですが、バルバラはあまり浸透していない。今回、いろいろバルバラの人生を知る中で、私自身もすごく良い題材に出会えたと思っています」と意欲を示した。

 初めての挑戦となる一人芝居には、「題材は1つでも、他の方がやったらまったく違うものになる。それは面白いと思いますね。今回は私がやる芝居なので、暴れたいと思います」とニッコリ。「先月は40人ぐらいの、若い人を含めた舞台をしていたので、極端にひとりぼっちになって」としつつ、「自分の本当の力を試す場所。ものすごく大変なんですけど、スタッフの皆さんも素晴らしいですし、作っていただいたものを安心して演じて、自分の力を試す。〝次〟へ向かっての大きな集結です」と言葉に力を込めた。

 演出は、伝説的バラエティー番組「笑っていいとも」などを手掛けた高平哲郎氏。高汐は、高平氏について「独特のユニークな才能がありますね。(自分と)〝同じ匂い〟がするんです。フィーリングが合うというか…。ちょっととらえどころがないんですが、自分と同じものが見えている感じがします」と共感を口にした。

 高汐は1972年に宝塚歌劇団に入団し、83年に花組トップスターに就任。87年に退団して以降は、舞台を中心に女優として活躍している。「宝塚を退団して30何年、(女性用の)ドレスも板に付いて参りましたので…」と冗談めかして笑いつつ、「宝塚というのは普通の演劇の世界と違って、まったく異質なもの。女優としてスタートしたときに、リアルなものを勉強しなければいけなかった。宝塚(在籍)以上の年月がたって、やっと今、宝塚の他の女優さんにはないスパイスというか、リアルなお芝居ができるようになってきた」と手応えも口にした。

 「『お芝居が良かったね』と言われたらダメ。そこにバルバラがいないといけない。『芝居上手だったね』とか、『歌上手だったね』とかじゃなくて、そこにバルバラが存在しないと」と、女優としての強い信念を示した高汐。「この経験が、絶対に次に生きてくる。また新しい課題とか、アドバイスいただければいいなと思います」と目を輝かせた。

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