人気雑貨ブランド「SWIMMER(スイマー)」は2018年のブランド終了後、2020年から新しい運営会社のもとで本格再始動している。旧SWIMMERで22年間デザイナーをつとめ、新生SWIMMERのブランドディレクターに就任したひづめみか~る氏(47)は「(年齢や性別に)『とらわれない自由さがSWIMMER』と伝えていけたら」と語った。
ひづめ氏にとってSWIMMERは「自由」な存在。「私自身が学生の時のSWIMMERって、そんなにクラスの主流ではなかったんですね。すごく王道に分かりやすい物ではなかったと思うんです。こだわりが強い人の方がSWIMMERを好きみたいなのが多分あった。そういう、人の意見に左右されなくて、自分で選んで自分でいいと思えるのはその人の中に自由があるからだと思って」。年齢や性別、他人の意見にとらわれない「自分がかわいと思ったものはかわいいのだ!と言い切ってもいいのだよ、という自由さ」を大切にしてきたという。
ひづめ氏は続けて「『こんな年になってもかわいいものが好きですみません』みたいな、なんで謝るのかなというツイートがすごく多くて」とSWIMMER再始動時の反響を振り返った。「人にどう見られるかを気にしているから、そういう謝りが出てきてしまうのかなと思った。そういうことにとらわれないで、みんな自由に生きていけたらいいのにと思います。『とらわれない自由さがSWIMMER』と伝えていけたらいいなと」と力を込めた。
1995年に旧SWIMMERを運営していた株式会社白鳳に入社し、約22年間、人気商品を作り続けてきたひづめ氏。SWIMMERのブランドを譲受した株式会社パティズから、2019年の夏ごろにディレクター就任の打診を受けた。「今までSWIMMERに関わっていない誰かにやられるよりは私がやりたい」との思いから二つ返事で引き受けた。
デザイナーからディレクターになった今は仕事の進め方が異なるという。旧SWIMMERでは複数の社内デザイナーが存在し、各デザイナーが商品の企画からデザインまでを担当していた。一方で、今はひづめ氏が描いたキャラクター等のアート素材をもとに、ライセンシーに在籍するデザイナーが商品をデザインし、それをひづめ氏が監修する。
当初は「全く新しいスタッフと作っていくことに少し不安もありました」というが、関わるスタッフにはSWIMMERのファンが多くいた。「『学生の時からSWIMMERが好きでした』という人とか、実際にスイマーの入社試験を受けたけどご縁がなくて、という方も『今こうやって一緒にできてうれしいです』と熱意を持ってやってくださる方がたくさんいらっしゃるので、そういう方と一緒に作っていけるのがすごく恵まれた環境だなと思っています」と感謝した。
ひづめ氏は「もっと男性、特に〝おじさん〟に知られたい」とブランドの目標を話す。「今の時点ではSWIMMERというと女性は8割くらいの方が知っていてくださっているんですけど、男性に全く通じないことがすごく多くて」。ライセンスマネジメントの担当者によると「物を作っている会社の最後の決裁権を持っているのが、40代50代のいわゆる〝おじさん〟の方々が多い」という。ひづめ氏は「〝おじさん〟に知られるともっと幅広くSWIMMERというものが(世間に)知っていただけるかなと思って」と話した。
写真にある商品の問い合わせは株式会社パティズの公式ウェブサイトまで。