ナンバープレイスにはパズルファンだけでなく、世の数学者たちも注目しているというお話をします。ナンプレは、「ラテン方陣」を基礎として考案されたパズルです。それは、見た目ナンプレによく似た数学の方陣です。けれど、数字が重複しないのはタテ方向とヨコ方向のみ。そのラテン方陣に、“ブロック”という制限を加えたものがナンプレなのです。
たとえば、1~3の数字を使う3×3マスのラテン方陣ならば、その数字の並べ方は全部で12とおり。けれど、4×4マスにすると、それが一気に576種類へと増えます。ナンプレと同じ9×9マスでは、なんと552〓(じょ※注)7514 垓(がい)9615京6892兆8425億3122万5600種類という超天文学的な数字になってしまうのです。兆の上のケタってこうだったんですね。ボクも初めて知りました。
こうなると黙っていられないのが世の数学者たち。そこにブロック制限を加えた現行のナンプレでは、いったい何通りの数字の置き方ができるのか。つまり、9×9マスナンプレのすべての種類を解き明かそうというのです。コンピューターと専門理論を用いて導き出したその結果は、ぜんぶで54億7273万0538通り。
う~ん、多いような少ないような…。でもこれならば、違うパズル作家がうっかり同じ問題を作ってしまう可能性も低い。解く側の皆さんも、問題不足に困ることはたぶん一生なさそうですね。
(※〓は左が「禾」、右は「予」で一字)