コロナ感染また拡大…東京の“鉄の結界”パワーを信じたい 鬼門の寺で考えた都市伝説

今野 良彦 今野 良彦
上野寛永寺の根本中堂
上野寛永寺の根本中堂

 では、なぜ都心に太極図があるのだろうか。すべては皇居を中心とした帝都・東京を永遠に繁栄させるためと考える。山の手線が現在のように環状運転を始めたのは1925(大正14)年。1月にはイタリアでベニート・ムッソリーニが独裁を宣言し、7月にはアドルフ・ヒトラーが「我が闘争第1巻」を公表した。4月には日本でも治安維持法が公布された。日・独・伊の三国同盟へひた走り始めた年だろう。

 そんな時代に大規模な鉄道網を敷き、太極図としたのは、気の流れで皇居を中心とした東京を永遠に守ろうとしたと考えたに違いない。黒の中央にある白点は後に陽に転ずる陰中の陽だが、路線図を太極図に合わせてみると陰中の陽に皇居が位置するのは偶然ではないだろう。

 実際、大空襲で焼け野原になった東京は復興し、戦争=敗戦という陰から陽に転じたのだ。だが、陽からまた陰に転ずるものだ。新型コロナウイルス感染症の拡大が、その予兆でなければいいのだが…。“鉄の結界”のパワーを信じたい。

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