漫画家が車中泊して全国ツアー “今会える漫画家”小田原ドラゴンを道中で直撃

野中 比喩 野中 比喩

車で日本一周しながら週刊連載のマンガを描き、単行本の手売りもする…そんなツアーバンドみたいな生活をはじめたマンガ家がいる。その人は、マンガを描き始めて2カ月で「ヤンマガ月間新人漫画賞」奨励賞を受賞しデビュー、300日で週刊ヤングマガジン連載開始という伝説を持つ小田原ドラゴンさん。

現在連載中の車中泊をテーマにした漫画「今夜は車内でおやすみなさい。」(「ヤンマガWeb」)に連動して始まった小田原さんの日本一周車中泊旅。3月28日に飼い犬のちょんぴーちゃんと共に東京の自宅を出発し、一般道でひとまず西へ。今、小田原さんはどのような思いで旅路をゆくのだろうか?出発から11日目の4月9日、小田原さんが和歌山から大阪に入るタイミングでインタビューを敢行した。インタビュー現場は大阪府羽曳野市某所に停車中の小田原さんのN-VAN車中

野中比喩(以下「野中」):今回はお時間を割いていただきありがとうございます。しかも「今夜は車内でおやすみなさい。」に登場するN-VANの中でインタビューできるなんて光栄です。

小田原ドラゴン(以下、小田原):はい、出発してから1週間以上経つので生活感も出てきちゃってますが...少しだけ物どかしますね。...どうぞ。

野中:ツアー直前の配信では「気分が乗らない」と連発されてましたが、どのようなご心境だったのでしょうか?

小田原:漫画がセミドキュメンタリーなので、行ってもどうせ面白くないんだろうなーと。単行本も100冊講談社からの買取で自腹なので厳しいし。

野中:自腹買い取りはバンドのツアーと似てますね。今回、同人誌も販売されているそうですね。

小田原:「世界三大ギタリスト高橋譲二物語」は1週間しないうちに完売して12日にまた100部追加します。

野中:ギタリストをテーマにした同人誌が1番最初に完売するのも、小田原先生らしいですね。

小田原:内容大したことないですよ。あと「ホルモンやん」が20冊くらい残ってます。単行本「今夜は車内でおやすみなさい。」はそれよりは多いかな。

野中:日本一周にはちょんぴーちゃんも同行するんですか?

小田原:ちょんぴーがいると夜購入に来られるファンに迷惑をかけるかもしれないので、これから明石の実家に寄ってツアーが終わるまで預けるんです。母も昔、犬を飼っていたので喜んでくれてます。

これまでの道中、ちょんぴーのおかげで見れた景色もありました。道の駅潮見坂(静岡県湖西市)は目の前が海なので散歩したんですけど、僕はあまり外に出ないほうなので、ちょんぴーがいなければ行こうとも思わなかったでしょうね。これから夜、誰もいない道の駅とかだと寂しいかもしれません。

野中:各地で大勢のファンの方がいらっしゃると思いますが、差入れで嬉しいもの、困るものを教えてください。

小田原:もらって困るものはかさばる物や1人で食べきれないものです。食べ物は嬉しいんですけど、できれば道の駅や地方のスーパーでその土地のものを選んで食べたい。なのでもらって嬉しいものはお金です。

野中:まだ始まったばかりの日本一周ですが、これからどのような順路で回っていかれるんでしょうか?

小田原:明石から淡路島に出てそこから四国に入り山口の方まで行って、そこから一度家の契約更新があるので一般道で東京へ戻ります。更新が済んだら、また東京からフェリーで九州に行って…という計画です。
◇ ◇

インタビュー後、現在地が公開されると大阪や奈良から大勢のファンが集まり「今夜は車内でおやすみなさい。」、同人誌共にソールドアウト。帰宅後、完売祝いのメールを送ったところ小田原先生から「講談社から12日に高知に著者買取で200冊送られてきます。頑張って売らねばなりません…」という悲痛なお返事があった。

今回の日本一周は「今夜は車内でおやすみなさい。」のロケを兼ねているので、この先の土地で起こるエピソードや人との出会いも漫画になるかもしれない。手売り購入時のやりとりやTwitterのタイムライン…みんなで小田原ドラゴンさんの日本1周を盛り上げたいものだ。

小田原ドラゴン
1970年9月23日生まれ。1997年「ヤングマガジン増刊赤BUTA」でデビュー。代表作は「チェリーナイツ」「小田原ドラゴンくえすと!」など。
現在「ヤンマガweb」で連載中「今夜は車内でおやすみなさい。」
https://yanmaga.jp/columns/series/5
犬と暮らしをリアルに描いた「僕と三本足のちょんぴー」
https://yawaspi.com/chonpii/

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