1980年代のアイドルグループ「シブがき隊」の“フッくん”として人気を博したタレントの布川敏和(60)が15日、神奈川県・茅ヶ崎中央公園で行われた地域イベント「茅ヶ崎マルシェ」にゲスト参加した。布川は、米国の刑務所での過酷な服役体験を経て、帰国後は子どもたちを相手に社会奉仕活動を続ける「一般社団法人Homie子ども未来育成会」の代表理事・井上ケイ氏とのトークショーで「いじめ問題」をはじめ、2人の孫がいる祖父の立場から「日本の将来」などについて語り合った。
今回が初対面だったが、共通の知人がいる縁から2019年頃からフェイスブックでのやりとりを続けてきた。布川は「ケイさんのYouTubeはほぼ全部見ています」と理解を示し、「米国の刑務所内いじめ」について当事者のケイ氏に尋ねた。
ケイ氏は「アメリカの刑務所ではいじめられる前に殺されますね。特に親や妻など親族を殺した者は狙われます」と切り出し、「(ロス疑惑の)三浦和義さんがサイパンで(08年2月、米捜査当局に)拘束されてロサンゼルスに移送され、(同年10月にロス市警の留置所で)自殺したと報じられましたけど、三浦さんは留置所にいる時に刑務官から『刑務所に行ったら殺されるぞ』と言われていたと思うんですよ。それだったら自分で死んだ方が…と思ったのかもしれない」と私見を述べた。また、「自分は三浦さんと昭和54年に東京拘置所で知り合ってから付き合いが長く、(07年4月に)雑誌の対談をやる前日に三浦さんが(神奈川県)平塚市内のコンビニで万引きをして捕まったということもありました」と意外な関係も打ち明けた。
一方、日本における学校のいじめ問題について、布川は「いじめを受けている側はどう対応したらいいのか」と問題提起。ケイ氏は「親に言えない子が多いんです。言いつけて親が学校に乗り込むと、『お前、チクっただろ』と余計にやられる。そこで自分たちみたいな団体は、加害者と被害者、校長、教頭、担任教師、所轄警察の警察官も呼び、いじめられた子を病院に連れて行ってまずは診断書を取り、校長らに聞き取り調査をします」と説明した上で、学校側の隠蔽体質も指摘した。
1961年生まれのケイ氏に対し、布川は65年生まれで、昨年、還暦を迎えた。「いじめ撲滅」を掲げるケイ氏の現状説明を受け、布川は「令和のいじめは昭和のいじめから変わってきているということですか」と質問。ケイ氏は「うちの長男が44歳なんですけど、そのくらいの世代の人たちが道徳を学んでないんじゃないかと自分は感じるんです。さらに、その人たちの子どもも親から道徳を教えられていないので、それが現在の流れになっている」との見解を示した。
布川は「僕らの時には親からもそういった道徳を教わってきましたけど、ゆとり世代くらいから日本の道徳が薄れてきて…というのは確かに思いますね。個人的には、僕の孫が2歳と4歳なんですけど、この調子で日本がずっと進んでいって、20年後くらいに孫たちが就職などした時に、俺は空の上から見ているのかもしれないけど、孫たちがかわいそうだなと思っているんです」と思いを吐露した。
さらに、布川は「令和になって、全く昭和とは違うなと思うことがある。例えば、会社の中でパワハラとかセクハラとかありますけど、何でも“なんとかハラ”になってしまって、いきすぎていると思う所も。『昭和に寄せろ』というわけではないんだけど、今の状況のまま日本が進んで行ったら、あまりよくないのではと心配になっています」と憂慮。ケイ氏が「今の日本人が弱すぎますよね。日本、なくなっちゃいますよ」と危惧すると、布川も「日本で就職したのに、違う国の人に使われるようになってしまいそうで…。でも、ここでなんとか食い止めないということですよね」と呼応した。
話は互いの年齢にも及んだ。ケイ氏が「年を取ると、毎朝起きる度に『きょうも起きれた』という気持ちになってきますね」と実感を込めると、布川は「僕も60歳になったのを機に仕事もセーブし、自分の時間を大事にして、のんびりと好きなことをやる生活リズムにするようにしたんですよ。それこそ、いつ死ぬか分からないので、『仕事、仕事』と言いながら、そのままバタッと逝ったら『俺の人生、なんだったんだ?』なんて思っちゃうのが嫌なので」と“老い”の入口に差し掛かった心境を打ち明けた。