1970年代後半に空前のブームを巻き起こした女性デュオ「ピンク・レディー」の未唯mieが9月19日に東京国際フォーラム ホールCで、デビュー50周年とソロ活動45周年を記念したコンサートを開催する。未唯mieがよろず~ニュースの取材に対し、同公演の構想や創作活動へのこだわりを語った。
ピンク・レディーは1976年8月25日リリースの「ペッパー警部」でデビュー。ミイとケイ(増田惠子)のコンビで「渚のシンドバッド」「ウォンテッド(指名手配)」「UFO」「サウスポー」など独創的な振り付けと共に大ヒット曲を連発して社会現象にまでなった。79年には全米リリースした「Kiss In The Dark」が日本人歌手として坂本九さん以来のトップ40入り(ビルボードチャート37位)した。
未唯mieは9月のソロ公演について「構成としては『現在の私』からどんどんさかのぼっていくような形で、お伝えしようかと思っています。1部がソロ曲で、2部がピンク・レディーで、ヒット曲をほぼ網羅してお届けするぞ…という感じです」と構想を明かした。
さらに、未唯mieは「今回の公演に向けて、改めてピンク・レディー曲のフリをおさらいしているんですが、(振付師)土居甫(はじめ)先生が最初に振り付けをしてくださった時の感じ、『ディスコ・クイーンにしてみせる』と言ってくださった、その感じの『ノリ』って、どうだったんだろう?…ということを、もう一回、形じゃなくてノリを重視して研究しています。土居先生が本当に身に付けさせたかったグルーヴとは…という原点回帰を試みたいと考えています。それを9月にお見せできたら」と付け加えた。
その「ノリ」は今も健在。3月1日に都内で行われた「未唯mieの日」ライブで披露した最新曲「Never Did I Stop Loving You」について、未唯mieは「アリス・クラークという方が72年にリリースしたアルバムの1曲。ソウルにちょっとジャズ・テイストが入っているような感じが大好きです。そして、日本語の訳詞を私がやりますと立候補して、このグルーヴを消さない日本語を探してできた詞です」と作詞家としての思いも語った。
本名の「根本美鶴代(Mitsuyo Nemoto)」名義で、この日演奏された9曲中、4曲を作詞。未唯mieは「(84年放送のTBS系)『不良少女と呼ばれて』というテレビドラマの主題歌になった(洋楽のカバー曲)『ネバー』を歌っていた頃はオリジナルの英語詞と全然違う日本語詞をのせても問題がなかったんですけど、ここ最近は原曲の作詞家の了解が取れないと出せないということで、今回の日本語詞はOKをいだたきました。日本語って難しくて、英語で言っていることの半分もなかなか言えない感じですけど、意味を抱擁して伝えていくという感じでした」とも補足した。
ただ、23年にリリースしたシングル曲「ハレルヤ」は原曲の英語詞で歌う。未唯mieは「当初は日本語詞をつけるつもりでいたんですけど、作詞作曲のレナード・コーエンさんが『これはどんな国の言葉でも訳しては困ります。原曲のまま歌ってください』ということで。『ハレルヤ』は胸が苦しくなるくらいにいい曲だし、こういうことを伝えていかないと…という思いに駆られたんですね」と説明し、観客に向けて歌詞の日本語訳を朗読した。
そういった音楽性が「現在の私」。3月9日には68歳の誕生日を迎える。1日のライブステージでは、同じ3月生まれのバンドメンバーであるギタリスト・土方隆行、コーラスの大滝裕子と共にバースデーケーキを贈られ、ファンに祝福された。客席には70年代に一時代を築いた元キャンディーズの伊藤蘭、女優で歌手の藤田朋子とアコーディオン奏者・桑山哲也夫妻らの姿も。会場入口には伊藤や女優・大竹しのぶからの花が飾られていた。
自身の誕生日に向け、年齢を重ねることについて、未唯mieは「体力が衰えていく部分もありますけど、そこから、さらに新たなところを開発して鍛えていくこともできるだろうし、また違った素敵な表現が広くできるようになるんじゃないかな…というふうにも思います。そこを目指して進化を続けていきたい」と思いを新たにした。
半世紀の集大成となる9月の公演には、ピンク・レディー初コンサートツアーのメンバーで、レコーディングのオリジナル・ミュージシャンでもあった編曲家でキーボード奏者の井上鑑らが参加。未唯mieは「この50年で1番の宝といえば『仲間』。音楽仲間、陰に日向に支えてくれる各種スタッフ仲間、作品や学びを授けて下さった恩師の方々…。数々の出会いと別れの中で、“今"手を繋ぎ合える大切な仲間たちと、この50年の歩みを表現したいと思います」と意欲を示した。