俳優のシルベスター・スタローン(80)が、1977年のアカデミー賞授賞式で主演映画「ロッキー」が作品賞を受賞した際、予想していたような歓喜ではなく、むしろ寂しさを感じていたという。
「タクシードライバー」や「大統領の陰謀」といった強力な対立候補を抑え、作品賞を収めた同作についてスタローンは、「CBSサンデー・モーニング」で、当時受賞できるとは全く考えていなかったそうで「そこに座りながら『受賞するわけがない』と思っていた。他の脚本家たちから直接『君は勝てないよ』と言われたほどだ」と振り返った。
プレゼンターのジャック・ニコルソンが「ロッキー」の名前を読み上げた際、スタローンは冗談だと思ったとして、「歓声が上がり、席に沈み込みたい気分だった。歓喜の感情ではなく、少し悲しかった。家族と一緒にお祝いし、『ついにやったぞ』と思いたかったが、そうはいかなかった」と続けた。
両親は授賞式に出席しておらず、2025年12月に「CBSモーニングス」でゲイル・キングの取材を受けた際にもスタローンは、その事実を乗り越えられていないと心中を明かしていた。「人生の絶頂期であると同時に、とても悲しい瞬間だった。自分を否定してきた愛する人たちにいてほしかったが、彼らは来なかった。子どもは柔らかい粘土のようなもので、一度ついた傷は元には戻らない。今でもその思いを抱えて生きている」
一方で、スタローンが「ロッキー」の映画化を実現させるまでの苦闘を描く伝記映画「アイ・プレイ・ロッキー」の製作が進められている。同作ではアンソニー・イッポリトが若い頃のスタローンを演じる。
自身が存命のうちに伝記映画が作られることについて、スタローンは「まだ死んでいないの に、少しフライング気味ではないかという複雑な思いがある」と語りつつも、劇中のアンソニーの映像を見て驚嘆したそうで、「最初の瞬間、自分自身かと思ったほどだ。娘にも『信じられない』と話した」と、その完成度に太鼓判を押した。