俳優のカイル・マクラクラン(67)が、2025年1月に肺気腫のため78歳で他界した映画監督デヴィッド・リンチさんについて、「自分にとってあまりに巨大な存在を失い、今も途方に暮れている」と深い哀悼の意を表した。自身を見出し、人生を一変させてくれた恩師との40年にわたる絆について、9月29日刊行の回顧録「フィクショナル・セルヴス」を前にサンデー・タイムズ・マガジンに明かした。
2人の関係は、無名だったカイルが映画「デューン/砂の惑星」(1984年)の主人公ポール・アトレイデス役に大抜擢されたことに遡る。同作は興行的に苦戦を強いられたものの、リンチさんは続く「ブルーベルベット」でイザベラ・ロッセリーニやローラ・ダーンの相手役として再びカイルを起用した。
米太平洋西北部出身という共通のルーツを持つ2人は深く心を通わせ、カイルは自らを「デヴィッドが創造する奇妙な世界へ送り出される火星探査車のような存在だった」と振り返る。代表作となったドラマ「ツイン・ピークス」のFBI捜査官デイル・クーパー役では、リンチさん独特の仕草や語り口、リズムを意図的に取り入れて演じていたという。
リンチさんが存在しなかった場合の自身のキャリアについて問われると、カイルは「考えるだけで落ち込むので考えないようにしている。だが、まったく違う道を歩んでいたはずだ。デヴィッドがすべてを変えてくれた」と語る。2人は2017年の「ツイン・ピークス The Return」で再びタッグを組み、2019年にはカイルがプレゼンターとしてリンチさんにアカデミー名誉賞のトロフィーを手渡した。
映画「ショーガール」やドラマ「デスパレートな妻たち」、近年の「フォールアウト」や「The Lowdown」など幅広い作品で実績を重ねているカイルだが、リンチとともに築き上げた映画史に残るパートナーシップは、今なお特別な輝きを放っている。