かつて学校で、給食費を袋に入れて登校していた人もいるだろう。ヒロ・コトブキさんの作品「盗まれた給食費」は、そんな給食費を巡ってクラスで起きた出来事を描いている。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約1.2万いいねの注目を集めた。
ある日、クラスメイトの荒川の給食費が盗まれた。そこで先生は、生徒全員に目をつむってもらい、犯人は正直に手をあげるようにと話す。すると、どうやら犯人がすぐに手をあげたらしく、先生が「お前だったのか」とつぶやく。
しかし先生の問いかけはまだ終わらない。その後は「他にはいないか?俺こそが真の盗ったぞ~って奴」と第2の犯人探しをはじめる。ただこの声掛けに乗る生徒はおらず、先生は「じゃあ荒川で決定な」と告げた。
こうして給食費を盗まれたのも、盗んだ犯人も荒川というとんでもない事実が周知され、その日から彼のあだ名は「セルフ荒川」になった。
読者からは「まさかの盗んだ側だった…」「先生のセルフ芝居がおもしろすぎる」などの声が寄せられている。そこで、作者のヒロ・コトブキさんに話を聞いた。
―同作を描いたきっかけについて教えてください
僕のメモ帳には「ゼロからなにも思いつかなかった時用に、ブレイクスルーの足がかりとなるようなシチュエーションやアイテム」が散文的に並べられています。その中には「あるあるなシチュエーション」も記されています。
この「給食費モノ」も、よくあるシチュエーションとしてメモされていて、そこに少し長さのあるお話で大喜利をしたような感覚です。
―同作を描くうえで、意識した部分はありますか?
真ん中を通す芯として徹してもらうために、先生から人間味のようなものを抜きました。
―実際に学校で給食費トラブルに出会った経験はありますか?
なかったはずです(もちろん「卒業する時に生徒の全員が催眠術にかけられていない限りは」です。ある時にあの頃の担任の先生が目の前に現れて、指をパチンと鳴らした瞬間に記憶がよみがえるかも知れません。給食費を盗ったのも、校庭の桜の枝を折ったのも、廊下の金魚鉢を割ったのも、僕だったのかも知れません)。
本当は給食費の支払いをどうやっていたのかさえ覚えてないくらいですが、あらゆるコントで散々擦り倒されるのを観てきたからこそ、さもあったかのように記憶をすり替えられているんだと思います。
<ヒロ・コトブキさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/kotobuki_hiroju