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「すれ違った時びっくり」100kgの荷物を背負って黙々と→ 尾瀬の山小屋を支える“歩荷(ぼっか)”

登山中、箱詰めされた巨大な荷物を背負って黙々と歩く人の姿を見かけたことはないだろうか。

「歩荷(ぼっか)」と呼ばれる彼らは、自分の体より大きい荷物を背負い、山小屋まで歩いて運び続ける。

特に、新潟県、福島県、群馬県、栃木県にまたがる巨大な自然公園である尾瀬には、湿原を一歩ずつ踏みしめる、プロの歩荷たちが存在する。尾瀬で活動する歩荷の五十嵐寛明さんに、詳しく話を聞いた。

――尾瀬ではどのような体制で運搬を行っているか。

五十嵐:現在、尾瀬では7人の歩荷が活動していて、合計12軒の山小屋へ物資を届けています。専属のプロとして活動している山域は、おそらく尾瀬だけではないでしょうか。

――荷物について。

五十嵐:平均80kgから100kgの荷物を、週に6回運搬しています。燃料や飲料などはヘリコプターで輸送されることが多いですが、私たちが運ぶのは保存のきかない生鮮食品や野菜が中心。ヘリは天候不良で飛べないことも多く、注文から時間が経つと野菜が傷んでしまうため、私たちの出番となります。特に割れやすい卵などを運ぶときは、絶対に転べないというプレッシャーもあり、非常に神経を使いますね。

――特に大変な場所は? 

五十嵐:登山口からの急勾配の木道です。特に雨の日は非常に滑りやすく、難易度が格段に上がります。尾瀬の木道脇には「帳場(ちょうば)」と呼ばれる歩荷専用の休憩スペースがあり、そこで体力とペースをコントロールしながら、毎日背負い続けられる体を維持することが重要なんです。

――この仕事のやりがいは? 

五十嵐:毎日歩いているからこそ、尾瀬の景観の変化を誰よりも一番に感じることができます。単に食材を運ぶだけでなく、そんな「尾瀬の今」を山小屋の方や登山者に届けられるのは大きな魅力。そして何より、山小屋の方や登山者から「荷物を運んでくれてありがとう」と声をかけてもらえることが、最大の喜びですね。

◇    ◇

SNSでは「どんな体幹をしてるんだ」「持ち上げられても、歩いて運ぶのは無理」「初めてすれ違った時びっくりした」などの反響が寄せられた。

山小屋でカレーを食べられるのは、歩荷さんのおかげ。奇跡に近い献身に支えられているのが山の日常だ。次に山で見かけた時はエールを送りたい。

▽尾瀬小屋(尾瀬国立公園) Xアカウント
https://x.com/ozegoya

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