中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也弁護氏が10~11日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、高市早苗首相の動画問題について解説した。
高市首相の公設第一秘書・木下剛志氏の依頼で、松井健氏が自民党総裁選や衆院選で他候補の「中傷動画」を作ったと報じられている騒動。野村氏は「法律上はあくまでも、公職選挙法の買収罪または利害誘導罪が成立するかどうかが争点。」と指摘。「今のところ、松井氏の行為は無償であった可能性が高いので、後は、サナエトークンと紐づくかどうかが問題になるだけ。つまり追及側は、高市総理側が『特殊の直接利害関係を利用して』動画作成を『誘導』した事実を指摘すべきであるが、どうも話がずれているようだ。」とした。
「私には、ミームコインで一儲けしようと考えた人物が、サナエというネーミングを使えるように、総理秘書に近づいて公共性の高いプロジェクトだと説明する一方で、コインの価値を上げるために、勝手に動画を作って、高市総理の誕生と衆院選の大勝利を画策していた事案に見えるんだけど、違うのだろうか。」と自身の見解を示した。
さらに「高市総理側を公職選挙法違反で追い詰めるのが難しいことは、ほとんどの国会議員が気づいているはず。」と分析。「だから、いつの間にか、虚偽答弁や総理の資質の話にすり替わったのだろう。」と追求する野党がゴールを動かされている部分があるとした。「野党側が総理の公選法違反を追及したいなら、①松井氏が中傷動画を作った事実、②総理側が『直接利害関係を利用』した事実、③それが松井氏を動画作成に『誘導』した事実を示さなければならないが、今のところ、いずれも示されていない。」と説明した。
また「中傷動画問題について、松井氏(及び木下秘書)に公職選挙法235条2項の虚偽事項公表罪が成立すると主張する人がいるが、そのためには、松井氏の作成した具体的な動画の中に『虚偽』または『事実をゆがめ』た部分があり、松井氏がそれを認識した上で公にしたことが必要だが、どの動画の話なのだろう。」と疑問も。動画問題では松井氏と木下秘書の関係について取りざたされている一方で、松井氏がすでに削除したという大量の動画の現物がはっきりしておらず、具体的にどのような“中傷”が広められていたのかは明確にはされていない状況だ。