3日放送予定のABCテレビ・テレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい!」(日曜、後0・55)は、福岡県嘉麻市に暮らす54歳の夫と、北九州市に暮らす43歳の妻が登場。ともに子どもを育ててきたシングル同士で再婚ながら、現在は“別居婚”を選択している。
夫が6年前に移住したのは、福岡県の中央に位置する人口約3万人の嘉麻市。築40年の家に惚れ込んだ理由は、なんと裏手に残る廃線跡だった。草むらをかき分けると、1988年に廃線となった旧国鉄・上山田線の線路があり、夫いわく「『スタンド・バイ・ミー』やり放題」のロケーション。さらにこの地区では年に2回、廃線を利用した「トロッコフェスタ」も開催されており、夫はその運営者の一人だという。
敷地には母屋のほかに別館もあり、駅名標のような「ひみつきち」の看板が。中に入ると、そこには妻には理解してもらえないという“ガラクタの山”が広がっていた。壁には、夫が大人になってから集め始めたというモデルガンがズラリ。小学6年生となった妻の息子も「むちゃくちゃかっこいい」と目を輝かせ、夫とはサバイバルゲームも楽しんでいるという。
そんな遊び心あふれる暮らしにたどり着くまで、夫には大変な道のりがあった。かつては3人の子どもを育てるシングルファーザーで、約20年にわたって主夫として奮闘。生活にも困窮した当時、児童扶養手当が母子家庭のみ対象で、父子家庭には支給されなかったことに疑問を持ち、同じ立場のシングルファーザーたちとNPOを立ち上げて活動。やがて父子家庭にも手当が支給される流れをつくったという。妻が後に知ったのは、そんな「法律を変えた人」としての顔だった。
一方の妻も、離婚後は実家に戻り、育児、仕事、祖父の介護に追われる日々を送っていた。疲れ切ったある日、休憩のつもりで久しぶりにインスタグラムを開き、「#福岡県」「#子育て」「#シングル」と検索。そこで目に留まったのが夫の投稿だった。キラキラして見えた写真に心を動かされ、「シングルマザーで疲れています。あなたの投稿の写真が素敵でした。よかったらお話聞きたいです」とDMを送ったという。
メッセージを受け取った夫は、「かわいい女の子からメッセージなんてツリ(詐欺)じゃないか」と疑いつつも、やり取りを重ねるうちに会ってみることに。妻にとっては恋心というより、同じシングルとして人生の“師匠”に会いに行くような気持ちだった。ところが初対面で食事をし、夫が用意していたモルックで遊ぶうち、妻は自然と笑顔を取り戻していく。
やがて妻はどうしても聞きたかった「前の妻のことを許せているのか」という質問をぶつける。夫は「なんとも思っていない」「結果として3人育てられたのがすべて」と軽やかに返答。その境地にどうすれば至れるのかと尋ねた妻に、夫が返したのは、まさかの「抱き締めた~い!」。想定外すぎるひと言に、MC2人も思わず絶句…。「一生懸命相談され、同じ境遇を味わっているから、いじらしくなった」と夫は振り返る。
さらに夫はその勢いのまま「僕とお付き合いしませんか」と告白。初対面での急展開ながら、妻もその日、交際を受け入れた。それから3年、結婚の二文字が見えてきたきっかけは妻の息子だった。夫から「村でお祭りがあるから、息子を連れて遊びに来たらいいよ」と誘われ、親子で嘉麻市の家を訪れると、夫も村の人たちも温かく迎え入れてくれたという。
2人は2025年11月に結婚。ただ、息子の学校生活を考え、週末に互いの家を行き来する別居婚を選んだ。男の子を育てる上での悩みを夫が言わずともくみ取ってくれることも大きく、最近では息子が自転車に乗れるよう、夫が教えてくれたそう。
そして番組では、息子が夫へ仕掛けたサプライズ動画も紹介される。夫の誕生日、ケーキを前に息子が歌ったのは「ハッピーバースデーディア ○○さん…いや、パパさん」。初めて「パパ」と呼ばれた瞬間に、夫は「一番大きな誕生日プレゼント」と深く感動。過去を抱えたシングル同士が“家族”になっていく3人の姿にスタジオも温かな空気に包まれた。