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揺らぐ学歴神話…大卒採用を減らして「高卒・専門枠」を拡大→大卒の評価は?【キャリアカウンセラーが解説】

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有名大学に通うAさんは、周囲と同じように就職活動を進めてきた。しかし、第1志望の企業が今年から大卒枠を減らし、高卒や専門校卒の採用を強化するというニュースを知り、「4年間高い学費を払って学んできたことは評価されないの?」と、激しい動揺に襲われる。

学歴という看板がかつてほどの威力を失いつつある今、企業は何を見て、就活生に何を期待しているのか。キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞いた。

ーなぜ今、あえて「大卒採用」を控える企業が出てきているのでしょうか?

これは「大卒か高卒か」という単純な比較ではなく、採用のあり方そのものの見直しが進んでいる結果だと思われます。

業界や職種にもよりますが、コロナ禍で一時抑制された新卒採用が回復・拡大し、その分、育成や配置の負担も増えています。現在は組織全体のバランスを見直すフェーズに入っている企業も少なくありません。

また、少子高齢化による人材不足を背景に、早い段階から採用し中長期で育成していくという考え方を取る企業もあります。その中で高卒採用は早期育成が可能な1つの選択肢として注目されている側面もあります。

さらに、特定の分野に強みを持つ専門学校や高専、工業・商業高校など、「ポジションに応じた最適人材の採用」も広がっています。

ー高卒や専門校卒の採用が増えているのには、何か「企業側のメリット」があるのでしょうか。

制度面での特徴も一因です。高卒採用には地域や時期によって「1人1社制」といった慣習がまだあるため、内定辞退が比較的少なく、企業にとっては採用計画が立てやすいという側面があります。

また、専門性を持つ高卒・専門卒の方は、専門職としての前提知識を身につけているケースも多く、現場への適応が早いという点が評価されることもあります。

こうした背景には、「採用コストや育成負担の最適化」「専門性を重視したポジション設計」「若手人材の早期育成」など、企業ごとに異なる複数の意図が存在するため、一概に「どの学歴が有利」と言い切れるものではありません。

ーでは、大卒という価値がなくなったわけではないのですね?就活生は何を「新基準」として意識すべきですか。

大卒という価値がなくなったのではなく、「その4年間をどう使ったか」が、これまで以上に問われています。

企業が重視しているのは、経験の結果だけでなく“再現性”と“言語化力”です。

どのような課題に向き合い、どう考え、どう乗り越えたのか。そのプロセスを自分の言葉で整理し、異なる環境でも活かせる形で伝えられるかどうかが重要です。

こうした変化の本質は、「大卒か高卒か」という区分ではなく、「個人としてどのような価値を発揮できるか」をより重視する採用へのシフトにあると言えるでしょう。

ーAさんのように不安を感じている「大卒就活生」が、今すぐ備えるべきことは何でしょうか?

まずは、自分の経験を「社会との接点」で捉え直すことが大切だと考えます。

自身の経験をもう一歩踏み込んで、「その仕事・会社を通じて自分の強みをどう活かし、社会にどんな価値を提供できるのか」というPRの視点を持って整理すると、ビジネスとしての意味が見えてきます。

学歴に頼らず、自分の強みを構造的に理解し伝えられること。それが、変化の大きい時代においても納得感のあるキャリアを築くための一歩になるでしょう。

◆七野綾音(しちのあやね) キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント
やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。

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