亡くなった俳優のヴァル・キルマーさんが、最新映画「As Deep as the Grave」で生成AIによってデジタル再現されることが明らかになった。映画「トップガン」で知られるヴァルさんは2025年4月、肺炎のため65歳で死去しており、死後約1年を経ての「出演」となる。
本作の監督を務めるコート・ヴォアヘース氏は、この手法について「物議を醸すものだ」と認めた上で、2020年の製作時点でヴァルさんが健康上の理由から撮影に参加できなかったため、AIを用いて神父フィンタン役を完成させたと説明している。
ヴァルさんは2014年に喉頭がんと診断され、気管切開を含む治療の影響で発声機能に深刻な制限を抱えていた。撮影準備は整っていたものの、体調悪化により出演がかなわなかったという。
遺族と財産管理団体の許可を得た上で、ヴォアヘース氏は過去の写真、映像、音声記録を使用し、演技を再構築した。アビゲイル・ローリーや、「ハリー・ポッター」シリーズでお馴染みのトム・フェルトンも出演する同映画は、考古学者アンとアール・モリス夫妻がナバホ族の歴史をたどる実話をもとに描かれる。
なお、ヴァルさんは生前の2021年、声を失った後にAI音声技術企業ソナンティックと協力し、自身の合成音声を制作。この技術は「トップガン マーヴェリック」で、トム・“アイスマン”・カザンスキー役を再演した際にも使用されていた。